研究課題/領域番号 |
20K10963
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
斉藤 恵美子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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研究分担者 |
神崎 由紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80381713)
呉 珠響 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80511401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / 高齢者 / 倫理 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染(以下、Covid-19)拡大に伴う地域包括支援センター看護職の在宅高齢者の支援過程での倫理的な状況を明らかにすることを目的として、質問紙調査を実施した。研究対象施設は、東京都福祉保健局公式ホームページ「地域包括支援センター及び在宅介護支援センター一覧」(2021年10月1日現在)で公開されている677施設のうち、地域包括支援センター457施設とした。これらの施設の経験年数を1年以上の看護職1名を研究対象者として、無記名自記式質問紙調査を実施した。主な調査項目は、研究対象者の年代、資格等の属性、Covid-19拡大時での支援過程の倫理的な状況として、倫理的ジレンマの認識、意思決定への支援で困難と感じた事例数、困難と感じた状況等とした。回収数は180件(回収率39.4%)であった。回答者の年代は、50歳代70人(38.9%)、40歳代50人(27.8%)、30歳代25人(13.9%)の順に多く、看護師以外の資格では、保健師48人(26.7%)、介護支援専門員45人(25.0%)、社会福祉士15人(8.3%)の順に多かった(複数回答)。Covid-19拡大時の支援過程で倫理的なジレンマを認識したことについては、「よくある」「時々ある」と回答した人は113人(62.7%)であった。意思決定への支援で困難と感じた事例の平均は2.6件、そのうち倫理的な判断が困難と感じた事例は1.6件であった。困難と感じた状況(複数回答)として、高齢者自身に関すること104件(57.8%)、高齢者の家族に関すること100件(55.6%)、利益や権利が相反する状況に関すること97件(53.9%)であった。Covid-19拡大時の支援過程で倫理的に迷い悩む状況を認識したことがあるという回答は6割であり、感染拡大時の在宅高齢者の支援に伴う倫理的な困難さの状況が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は質問紙調査を実施することができたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により研究時間の確保が難しく、詳細なデータ分析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は質問紙調査のデータ分析を進め、研究成果について、関連学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の業務委託やオンライン会議等により効率化できた人件費、旅費については、次年度分の研究成果の公表と業務委託費に計上する予定である。
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