研究課題/領域番号 |
20K10968
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研究機関 | 弘前医療福祉大学 |
研究代表者 |
山崎 千鶴 弘前医療福祉大学, 保健学部, 講師 (80788456)
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研究分担者 |
藤田 あけみ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30347182)
立岡 伸章 弘前医療福祉大学短期大学部, 救急救命学科, 教授(移行) (00749997)
福士 尚葵 弘前医療福祉大学短期大学部, 介護福祉学科, 講師(移行) (60570827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢者救急 / 多職種連携 / リビングウェル / 救急搬送プロトコル / 在宅高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、北東北3県の医療施設で救急業務に関わる看護師、救急救命士、高齢者福祉施設の介護職員、訪問看護師、行政の高齢者福祉担当職員を対象に、在宅高齢者の救急搬送時における多職種連携の実態と課題を明らかにし、高齢救急患者の希望に沿った円滑な救急医療の提供につなげるために、救急搬送時における救急医療と在宅医療の情報共有を目的とした「救急搬送連携プロトコル」を開発することである。 「在宅高齢者救急搬送連携プロトコル」が活用されることにより、在宅高齢者に関与する職種間で共通認識のもと情報伝達が円滑に行われることによって高齢者や家族の意思を尊重した救急医療となる。また、地域包括ケアシステムにおける二次救急医療施設での医療提供の目的が明確になり、不要な治療の減少による医療費の削減にもつながると考えた。 2021年度は、北東北3県の二次救急医療施設看護師、救急救命士、高齢者施設介護職員、訪問看護師、行政高齢者福祉担当職員を対象に自記式質問紙調査を実施した。 2022年度は、質問紙調査のデータを分析した。質問紙調査の結果をもとに、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を作成した。本プロトコル案は行政の担当者から在宅高齢者宅への情報シートの配布から始まる。 2023年度は、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」をモデル地区の在宅高齢者の救急搬送時に関わる職種を対象にプロトコル案を活用する際の課題について半構成的面接調査を実施した。調査の結果から、プロトコル案の中で使用される情報シートへの記載内容や記載および記載内容の更新を誰が行うのか、活用に向けて情報シートの存在を一般市民にも知ってもらうことが必要であるなどの課題が抽出された。これらの課題を解決し、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」の見直しを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、2021年に自記式質問紙調査の実施、集計、分析を行い「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を作成し、2022年にモデル地区で試験的に活用していただき、インタビュー調査から課題を抽出し、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル」を開発する予定であった。しかし、COVID-19の感染拡大ににより、インタビュー調査が進まず、1年遅れの状態にある。 現在の状況は、2021年に実施した質問紙調査の結果より「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を作成し、2023年に青森県のモデル地区のプロトコル案に関わる職種からの意見や課題をもとに「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を修正した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年に実施した質問紙調査の結果をもとに、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を作成した。 2023年には、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を青森県のモデル地区の在宅高齢者の救急搬送時に関わる職種を対象にプロトコル案を活用する際の課題について半構成的面接調査を実施し、課題を抽出し、プロトコル案の見直しを行った。 2024年は、「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を北東北3県のモデル地区(各2カ所程度を予定している)で実際に活用してもらい、プロトコルに関わった看護師、救急救命士、高齢者福祉施設の介護職員、訪問看護師、行政の高齢者福祉担当職員を対象にプロトコル案を活用、運用する際の課題について半構成的面接調査を実施し「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル」を完成させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
作成した「在宅高齢者の救急搬送連携プロトコル案」を北東北3県(青森県、秋田県、岩手県)のモデル地区2か所で実際に活用する際に、プロトコルの資料の印刷や入れる容器などを購入する必要がある。また、高齢者の救急搬送時に関わる職種に、プロトコルの活用や運用に関するインタビュー調査を実施する際の交通費や謝礼の経費が必要となる。 さらに今後、学会での発表や英語論文での投稿を予定しているため、そのための経費も必要となる。
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