研究課題/領域番号 |
20K10969
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
荒川 博美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (50570131)
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研究分担者 |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
秋葉 喜美子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20835079)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症サポーター / 介護体験学習プログラム / ファシリテイター |
研究実績の概要 |
全国で養成された認知症サポーターは2018年に1,000万人を超え、数の上での充足がなされている。しかし、認知症サポーターの地域での実際の活動率は低く、今後は養成されたサポーターが地域で活動することが望まれている。我々はこれまでに、認知症サポーターの活動実態調査、および活動促進を目的にKolb理論を基にした介護体験学習プログラムを開発し、その有用性を検証した。プログラムを実施した「介入群」では、プログラムを実施しない「対照群」と比較して、活動意欲と活動の向上があるという結果を得た。しかし、プログラム対象施設が1ヶ所であったこと、ファシリテイターが1名であったことからプログラムの一般化に限界があった。 そこで本研究は、これまでの研究をさらに発展させ、介護体験学習プログラムの広域展開と有用性の検証を行う。 複数施設において、認知症サポーターを対象に、Kolb理論に基づいた介護体験学習プログラムを実施し,その効果測定を行う。現在は,介護体験学習プログラムの質の均等性を確保するために、ファシリテイター用マニュアルの作成を試みている。それにより,プログラムの一般化を図ることが目的である。本研究は、以下の研究1~研究4までの4つの計画を実施する。<研究1>ファシリテイター用のマニュアルを作成する。<研究2>ファシリテイターの教育を行う。<研究3>介護体験学習プログラムの介入研究を実施する。<研究4>プログラム実施後におけるFocus Group Interview (以下:FGI)を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
<研究1>ファシリテイター用のマニュアルを作成するためのマニュアル作成チームにおける話し合いの場や意見交換会の開催が,covid-19の感染予防対策のため,難し状況が続いていた。 <研究2>マニュアル作成の遅れのため,ファシリテイターの教育へ進まない状況があった。 今後の方策としては,グループで集まる方法を出来るだけ少なくし,個別での意見交換の場を開いたり,遠隔での会議が行われるような方策を整えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法は,これまでの研究1~研究4までの軸となる方向性は変えずに進めていくが,感染状況などの社会情勢に対応しながら可能な範囲での実施をする。<研究3>においては,介護体験学習プログラムの介入研究を実施するが,当初の予定人数,対象施設の縮小を検討する。<研究4>プログラム実施後におけるFocus Group Interview を実施する。プログラム実施をしたファシリテイターを対象にFGIを実施する。FGIは、グループダイナミクスを用いて質的に情報把握を行う科学的方法の一つと定義されているが、FGIのみならず,個別インタビューの方法も取り入れながら実施する。FGIにより得られたデータは質的記述的に分析し、プログラム評価における数値的分析を補完する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では,マニュアル作成のための定期会議を年6回開催予定であったが,感染予防のため開催できなかったこと,マニュアル作成・印刷・資料作成に係る費用が掛からなかったため,次年度使用額が生じている。
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