最終年度(2023年度)は、公衆衛生活動で使用する教材として、モンゴル語の字幕を付したフレイル予防体操の動画を完成させた。また、研究活動成果報告のため、研究協力者を日本に招き、公開講演会を実施した。講演テーマは「モンゴルの保健医療」とし、モンゴル国の保健医療分野における課題と、一次医療機関のサービスを紹介した上で、本研究の研究成果の一部を披露した。多職種チームのディスカッションにより抽出した公衆衛生上の課題である子どもの歯を守るための健康教育や、身体活動促進のための教材作成の自主的な活動を展開したことについて紹介し、今後も公衆衛生活動の技術向上に取り組むことを確認した。 本研究の研究期間(2021年度~2024年度)全体を通じて、実施した研究及び成果は次の5点である。 ①モンゴル国立医科大学の公衆衛生看護教育に関する聞き取り調査を行った。この結果、公衆衛生看護学の授業は2科目4単位に限られ、公衆衛生看護の実務経験を有する教員もいないため、実践例を伝えることや、演習・実習等の教育に困難を感じていることがわかった。②モンゴル国の公衆衛生専門家である保健ソーシャルワーカーに聞き取り調査を行った。職務内容には、キャンペーンの企画・実施などがあり、集団を対象とする公衆衛生活動の実践例を得た。③モンゴル国保健医療の多職種チームが話し合いにより抽出した、公衆衛生上の課題に対して国際オンライン講演会「歯科保健セミナー」、教材学習会、歯科保健の活動を実施した。④フレイル予防体操の動画(モンゴル語字幕あり)を、共同で作成した。⑤研究成果報告のため、講演会を開催した。
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