研究課題/領域番号 |
20K10976
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
草野 恵美子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (70346419)
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研究分担者 |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
合田 加代子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20353146)
小倉 加恵子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, こころの診療部, 部長 (60332780)
中山 貴美子 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (70324944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 高齢者 / 地域組織 / シニア / 社会貢献 / 地域貢献 / 社会活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は地域共生社会における発達障害児と家族を地域で支える高齢者による支援モデルを検討することである。背景としては、まず「育てにくさに寄り添う支援の重要性」が挙げられる。中でも子どもの障害に起因する「育てにくさ」への支援は重要であり、特に発達障害についてはその障害特性の理解の難しさもふまえて検討していくことが必要である。次に「地域共生社会における多様な支援のあり方を検討する必要性」である。発達障害児とその家族が居住する地域で長く健やかに生活していくためには、療育等に加えて地域全体での支えが重要と考えられる。 2020年度は高齢者による支援に関する発達障害児と家族のニーズを抽出するための調査を行う予定であったが、Covid-19感染拡大により対面を伴う研究実施や感染症対策と関連する関係機関との調整が難しかったことから、計画を変更した。まず計画では就学前に焦点を当てることとしていたが、関係者からの意見から学童期における課題が予想されたため、地域の社会資源別にみた学童期の発達障害児・家族への支援に関する課題を把握することを目的として文献研究を行った。その結果、社会資源の連携による継続的支援や支援プログラムの充実・質向上の重要性、住民を含む地域全社会体での取り組みの必要性が示唆された。 さらに先行研究における調査結果を活用し、地域における障害児・家族への支援に関心を持つシニア大学受講者の特徴について検討した。その結果、障害児・家族支援に対して半数以上が関心を寄せており、シニア大学受講者は共生社会における多様な支え手となり得る可能性が考えられた。またその背景要因として地域での子育て支援活動への意欲が男女共通の基盤となることが考えられた。一方、男女の違いもみられ、男性では地域貢献への関心が高い者、女性では保育士等の専門的免許保有者が障害児・家族支援の人材となり得る可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19感染拡大により当初計画の実施に困難が生じ、研究目的達成に向けて、計画を一部変更し、就学前に加えて学童期に関する検討の追加や先行研究結果の活用による障害児・家族支援に関心をもつシニア世代の男女別特徴を検討したものの、当初予定のニーズ把握調査実施に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
計画変更により当初予定以外の研究成果を得られたが、研究遂行に必要な障害児の家族を対象としたニーズ把握調査は必要である。Covid-19感染拡大は続いており今後も対面での調査等に引き続き困難が生じると考えられるが、昨年度よりも社会全体的にオンライン化が進んでいるため、遅れを取り戻すための工夫の1つとして、オンラインを活用した調査を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定の障害児の家族を対象としたニーズ把握調査が遅れているため次年度使用額が生じている。次年度の使用計画としては、感染拡大状況下でも実施できるようなオンラインを活用する際の費用や調査に必要な経費として次年度使用額を使用していく計画である。
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