研究課題/領域番号 |
20K10981
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
松原 みゆき 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (20412356)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新人訪問看護師 / 単独訪問 / 教育体制 / 自律性 |
研究実績の概要 |
訪問看護は、原則一人で訪問し適切なアセスメントや必要なケアを提供する。新人訪問看護師は、先輩訪問看護師との同行訪問で必要な実践能力を習得しながら徐々に単独訪問へと独り立ちをする。新人訪問看護師が効果的に必要な実践能力を習得するためには、新人期の同行訪問や単独訪問を行う利用者や看護ケアの選定が重要となる。教育体制が不十分な訪問看護ステーションでは、新人訪問看護師の能力にあった選定が十分になされていない指摘もある。これでは、新人訪問看護師の実践能力の習得状況に影響を与える。したがって、新人期の同行訪問や単独訪問での利用者特性や看護ケアを可視化する必要があると考えられた。 本研究の目的は、新人訪問看護師の実践能力の習得状況からみた訪問利用者の特性と看護ケアを構造化することである。 本研究結果は、教育体制が十分に整備されていない訪問看護ステーションでも新人訪問看護師の実践能力習得状況に合わせて訪問利用者の選定ができ、OJTの向上に繋がる。ひいては、訪問看護のOJTマニュアルや育成ガイドラインの充実に寄与できると考える。 2年目である本年度は、新人訪問看護師の実践能力習得は単独訪問の自律性、自信の程度、訪問利用者の特性とケア、教育体制に関する全国調査を行っている。 その結果(分析途中)、新人訪問看護師は入職して1か月以内に単独訪問開始する者が約8割を占め、同行訪問時に行った主なケアは、健康観察、服薬管理、日常生活援助、医療処置管理と多岐にわたっていた。また、初めて受け持つ利用者は要介護認定者が最も多く、行った主なケアは同行訪問時とほぼ相違はなかった。教育体制としては、新人教育プログラム・現任教育がある事業所が約半数と教育体制が不整備な事業所が多いこともあきらかになった。今後、この実態調査の結果をもとに、新人訪問看護師の訪問利用者と看護ケアの構造化について、調査を続けていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実態調査の回収率が低く、継続して調査を進めていく必要があり、データ収集期間の延長をしているため
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今後の研究の推進方策 |
実態調査の回収率を高め終了する。その結果をもとに、より詳細な利用者特性と看護ケアを構造化するための、次の段階の研究計画を立案し、研究倫理審査への提出をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画を再検討した結果、今年度は、3年目に予定していた全国の新人訪問看護師の単独訪問の状況や利用者特性などの実態調査を先行して行った。そのため回収率が低く、次年度予定であった経費を前倒しし調査を行った。次年度も継続して追加送付を行い、全国の新人訪問看護師の実態を明かにする。その調査結果を基に、さらに詳しい利用者特性や看護ケアを明らかにするための研究計画の洗練化を行う。
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