研究課題/領域番号 |
20K10983
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研究機関 | 仙台赤門短期大学 |
研究代表者 |
平尾 由美子 仙台赤門短期大学, 看護学科, 教授 (60457752)
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研究分担者 |
小笠原 祐子 和洋女子大学, 看護学部, 准教授 (80404929)
東本 恭幸 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (10782451) [辞退]
立石 和子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80325472)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フットケア / 在宅療養高齢者 / 訪問看護師 / プロトコール開発 |
研究実績の概要 |
在宅の場で高齢者に対するフットケアが安全に実施できることを目指し開発中の「訪問看護師のためのフットケアプロトコール(原案)」の実用化に向け、介入の前段階として、「原案」について評価を得ることを目的とした調査を実施した。すなわち訪問看護師にプロトコール(原案)を見てもらい、内容についての意見を自由記述形式で回答を得た。作成したプロトコールの項目は「乾燥」「浮腫」「胼胝・鶏眼」「爪の異常」「創」「白癬疑い」であり、項目ごとにフローチャートで問題領域の特定と看護計画が示されている。それぞれの項目ごとに意見や改善への提案の記入を求めた。 現在調査票の回収と分析が進行途中であり回収数は25部である。全体的な評価は、「判断基準となり、スタッフ皆がフットケアに関わるのに役立つ」、「看護計画の具体性がもっと必要である」の二点に集約された。各症状のプロトコールに対する主な要望は、観察点の補足、看護計画の具体策の補足であった。観察点の補足では、「“皮膚の乾燥”の観察で、発赤や湿疹の有無を追加してはどうか」と、より詳細な症状を示したものや、「“創がある”場合、バイタルサインの観察を追記した方が良い」等、全身状態への着目を促す意見が多くみられた。看護計画では、「“保清”に足浴と示した方が良い」等、具体性を求める意見が目立った。一方、プロトコールの実用化の可能性については全員が「ある」と回答し、その意義への理解は得られていた。 より実用的で具体的な内容への改善の必要性が示唆された。今後は得られた意見を基に原案を修正した上で、プロトコールを実際に活用した介入の段階へと進んでいく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
フットケアプロトコール(原案)による介入を実施できる施設が、新型コロナウイルス感染症の蔓延等のため、予定通り受け入れがされず、プロトコール活用の実施が困難であった。感染収束のタイミングを見計らい介入施設へのアプローチをすると同時に、プロトコールの評価を訪問看護師から受ける研究の部分に重点を切り替え、研究を継続してきた。 評価に関する研究は進展しているが、介入研究に入れなかったという意味では遅れているという評価になる。
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今後の研究の推進方策 |
フットケアプロトコール(原案)を訪問看護師から評価を得る研究に関しては、データ回収、分析において順調に進行している。また、プロトコール活用の実施研究については、予定していた4か所以上の施設から協力の内諾を、改めて得ることができた。原案の評価が完了間近であり、改良を加えたプロトコールをもって、介入研究が実施できる段取りとなった。介入研究の方法においては、研究者が出入りすることをできるだけ少なくした上で実施できるよう、研究計画を修正した。したがって、研究協力訪問看護事業所に感染症のリスクを過度に負わせることなく研究できることとなった。 速やかに介入に入れる段取りが整えられたため、研究の急速な進行の見通しが立った。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していたパソコン、統計ソフトの選定が遅れ購入が間に合わなかったこと、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で、学会参加および研究会議のための旅費が大幅に減ったことによる。 パソコンおよび統計ソフトを購入するため、予算執行の予定が立っている。出張については、昨年度より学会の直接参加が増える見込みであり予算を順調に執行できる見込みとなった。
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