高齢者ショートステイにおける急変時対応スキル育成のための基礎的研究

2022 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K10989
• 研究機関: 滋賀県立大学
• 研究代表者: 横山 詞果 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (30642467)
• 研究分担者: 松永 早苗 神奈川県立保健福祉大学, 実践教育センター, 准教授 (30614581)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: ショートステイ / 急変時対応 / 多職種連携 / 高齢者

研究実績の概要

高齢者ショートステイ施設は、近年の在宅医療の推進や在院日数の短縮、変化する家族機能や家族構成などにより、自宅での介護だけでは負担の多い方を対象に短期間施設に入所して、介護を受けることができる施設サービスである。本施設は、家族の介護負担の軽減から始まったサービス提供施設ではあるが、今後は自宅での介護が継続できるための支援を行うサービスとして位置づくことが必要であり、そのためには、スタッフの抱える入所時の困難点である急変時対応の体制づくりが急務である。
本研究の目的は、高齢者ショートステイ施設に勤務する看護職・介護職が円滑に連携し、早期かつ適切に急変時対応を実施するために必要な急変時対応スキルを明らかにし、教育プログラムを検討することである。
今回Covid-19が流行したことにより、主にCOVID-19感染対策の指導のため訪問巡回し、高齢者ショートステイ施設の感染対策の実施状況および看護職・介護職の連携・協働の様子、看護師等スタッフの精神的疲労・負担状況等の現状把握を実施し、今後の教育システム構築に向けた有用な情報を得ることができた。同時に、高齢者ショートステイ施設は、今まで自宅にいた方の出入りとなるため感染リスクが高く、他施設と比しても早々に一時閉鎖されてしまう施設となっていた。また、他施設の人員確保のためスタッフの移動等を余儀なくされていた。高齢者ショートステイ施設の特徴を考えた急変時対応のスキルアップへの影響要因が明らかになった。
それらを踏まて、現在は急変時対応のスキルの内容・教育方法の再検討を文献や専門家、スタッフの意見をいただきながら実施しているところである。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

全国的にはCovid-19の影響が緩和されてきていた状態ではあったが、高齢者介護施設、なかでも高齢者ショートステイ施設は、クラスターのなりやすさ、さらには他施設への応援要員としてのスタッフ移動などさまざまな余波的な影響を引き続き受けていた。そのため、調査を依頼していた施設の一時閉鎖やスタッフの人員減少などの影響を受け、的確なデータ収集ができないリスクを考えて、現在は研究調査は見送り、短期入所施設のCOVID-19感染流行状況およびその際の対応方法、さらにそのほかの急変時対応についての状況に把握に努めた。

今後の研究の推進方策

今後の展望としては、現地調査や文献などから再検討した質問項目の精査を実施し、データ収集を開始する。研究の進捗状況が遅れているため、データ収集期間を短縮を図ることを検討している。さらに、新たな共同研究者１名を得ることができ、また研究補助者を増員し、研究を速やかに遂行させる体制を整えていく。

次年度使用額が生じた理由

今年度はCovid-19の影響により、収集するデータに大きな偏りが出ることが予測されたため、データ収集を見送っていた。そのため、本年度データ収集の調査を実施するために費使用する。また、Covid-19の影響により予定していた研究補助員を雇用できなかったため、本年度は期間を長くして雇用する予定である。そのため、人件費としても使用する。さらには、データ収集・分析において専門家の意見をいただくために使用する。