• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

訪問看護師育成のための教育ステーションの機能と課題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10990
研究機関埼玉県立大学

研究代表者

林 裕栄  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50214466)

研究分担者 武田 美津代  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90279852)
水間 夏子  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (00740193)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードキャリアラダー / 研修 / 教育 / 管理者 / 訪問看護師 / 教育ステーション
研究実績の概要

2022年度にかけて、A県訪問看護師向けのキャリアラダーの開発及びその試行を行った。現在複数の訪問看護ステーションでキャリアラダーを使用しての評価を行っている。また、キャリアラダーの普及のために管理者向け研修会でその内容を説明した。2023年度も説明会は実施する。
また、A県訪問看護ステーション協会加入の訪問看護師ステーションへの質問紙調査を実施した(2022年2月~4月)。結果は、訪問看護師は訪問看護の経験が浅い者が多いことから計画的な学習支援が必要であることや、研修は、ターミナルケアや皮膚疾患に関する研修ニーズが高いことが明らかとなった。研修では、訪問看護に特化した内容を準備するとともに、既に得意としている訪問看護師には最新の情報を提供することが期待されると考える。回答率が約2割であり、A県内の訪問看護師の実態として一般化するには留意が必要であるが、研修のニーズは把握できた。管理者への調査では、看護職員には勤務年数や役割を考慮した計画的な教育が必要であることや、各施設では多様な人材育成ツールを活用しているが、研修時間の確保や指導体制などにより施設毎の教育には限界があることが明らかになった。新規性のない教育が続けば学習意欲も低下するため、多角的な内容を含むことが望ましいことや、訪問看護の質の確保のためには、地域の多職種・多機関による現任教育のための環境づくりや研修の体系化が必要である。
2023年度はこれらの調査結果をうけて研修会を3回企画中である。その内容は、訪問看護師の判断力に必要な臨床推論の理解や、訪問看護師自身の思考や判断の振り返りができるような事例検討も含めたものを検討している。加えて教育ステーションの効果や課題に関する調査を実施するとともに、教育ステーションで担うべき研修やその他の研修も含め、キャリアラダーに基づいた研修内容の精査と研修体系の構築を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究協力者としてA県訪問看護ステーション協会会長・副会長・理事ら5名の協力を得て、A県の訪問看護師向けのキャリアラダーを作成したことやまたその普及のために研修会を実施していることである。
次にA県における訪問看護ステーション内の現任教育の現状と課題を明らかにするために、A県訪問看護ステーション協会加入の訪問看護ステーションの全数調査を管理者およびスタッフ(訪問看護師)の両者に対して実施した。
その結果をもとに今年度は研修を企画実施する。さらに、教育ステーションの効果や課題に関する質問紙調査の実施を検討している。
最終的に、教育ステーションの役割や教育内容を検討し、キャリアラダーに紐づけた研修体系の構築を目指しているため順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

2023年度は、すでに実施している新卒者・既卒者で訪問看護ステーションに入職した職員向けの研修を実施するとともに、新たに2022年度に実施した調査結果をうけて研修会を3回企画中である。その内容は、訪問看護師に判断力に必要な臨床推論の理解や、訪問看護師自身の思考や判断の振り返りができるような事例検討も含めたものを検討している。
加えて教育ステーションの効果や課題に関する調査を実施するとともに、教育ステーションで担うべき研修やその他の研修も含め、キャリアラダーに基づいた研修内容の精査と研修体系の構築を目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で、初年度の研究が10カ月程度遅れたことが最大の要因である。しかし、その後研究協力者にも恵まれ研究は進んだと思う。
1年延長した2023年度は、訪問看護師の力量をあげるための研修会を実施する。
また、教育ステーションに関するその効果と課題に関する調査をA県内の訪問看護師対象に実施する。
加えて作成したA県訪問看護ステーションの看護師向けキャリアラダーに基づいた研修体系の構築を目指すためにA県訪問看護ステーション協会会長・副会長・理事らと数回の会議をもち、キャリアラダーに基づいた研修体系を構築する。この研修体系の構築には、A県訪問看護ステーション協会で実施している研修をすべて網羅して(教育ステーションの研修も含む)、キャリアラダーに紐づけるために整理するものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 訪問看護師の研修ニーズ2023

    • 著者名/発表者名
      林裕栄
    • 学会等名
      第24回埼玉県健康福祉研究発表会
  • [学会発表] Field survey of the careers of visiting nurses, Report No. 1: Visiting nurses’ background2023

    • 著者名/発表者名
      Mitsuyo Takeda
    • 学会等名
      26th East Asian Forum of Nursing Scholars(26th EAFONS)
  • [学会発表] Field survey of the careers of visiting nurses, Report No. 2: Analysis of training needs2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroe Hayashi
    • 学会等名
      26th East Asian Forum of Nursing Scholars(26th EAFONS)
  • [学会発表] Field survey of the careers of visiting nurses, Report No. 3: Visiting nurses’ ideas on career development2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroe Hayashi
    • 学会等名
      26th East Asian Forum of Nursing Scholars(26th EAFONS)
  • [学会発表] A県訪問看護キャリアラダー作成プロセスによるキャリア支援の一考察2022

    • 著者名/発表者名
      林裕栄
    • 学会等名
      第27回日本在宅ケア学会学術集会
  • [学会発表] 新卒者等訪問看護師育成のプログラム参加者の実態2022

    • 著者名/発表者名
      林裕栄
    • 学会等名
      日本地域看護学会第25回学術集会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi