研究課題/領域番号 |
20K10997
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
丸尾 智実 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70438240)
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研究分担者 |
石橋 信江 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50453155)
片倉 直子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60400818)
宇多 みどり 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90552795)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 軽度認知障害(MCI) / 家族 / 支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症の前段階である軽度認知障害(以下、MCI)の診断を受けた人と生活する家族を対象とした介護自己効力感向上プログラムを開発することである。2021年度は1.MCIをもつ人や家族を対象とした教室(MCIの本人および家族会等)への参加観察、2.MCIをもつ人と家族へのインタビュー調査および家族を対象とした介入プログラムの開発を行うことを計画した。 1.では、MCIをもつ人や地域の人が一緒に活動を行う認知症予防教室に複数回参加した。その教室は地域で活動する看護職がファシリテーターとして参加し、内容は参加者が自分たちで決めていた。また、この教室は、認知機能の低下はないが自主的に認知症予防を行いたいと考えている人とMCIの人が混在している教室であったが、地域の人は同じ目的をもっている仲間として、MCIの人と関わっていた。MCIの人が同じことを繰り返し話すこともあったが、それを自然に話を聴いており、MCIの人ものびのびと会話をすることができていた。認知機能の低下があってもなくても同じ目標をもって活動すること、それをさりげなくフォローする体制が地域にあることがMCIの方の活動に、また地域の方の活動にも大切であることが明らかとなった。 2.では、MCIをもつ人の家族にインタビューを行った。その結果、日常生活の中でできることはMCIをもつ人にしてもらいながらも、見守りの目を増やしていることや安全を守る工夫をしていること等、距離感を図りながら工夫をして対応していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の拡大状況を受け、予定していたフィールドワークが十分に行えていなかったこと、MCIの家族へのインタビューも予定していた対象者数に至っていないことから、やや遅れていると判断した。MCIの人と家族の声を反映したプログラムにするためにも、昨年度十分にできなかったフィールドワークを可能な限り行いたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の活動を反映させながらプログラムの骨子はできつつあるが、これが妥当性があるものであるかMCIをもつ家族の意見を反映させる必要があると考えている。そのため、引き続き可能な範囲でフィールドワークを続けていく。また、今年度からプログラムが開始できるように準備を進めている最中であるが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況により募集やプログラムの開始時期、方法なども柔軟に対応する必要があることから、それらの検討についても合わせて検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度より費用が少なかった新型コロナウィルス感染症の拡大状況を受け、フィールドワークを含めて予定していたよりも出張費が少なかったことや研究に関わる人件費等も少なくなったことが理由としてあげられる。今年度は可能な限り、フィールドワーク等の回数を増やすことや広報手段としてホームページ作成等も検討していきたいと考えている。
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