研究課題/領域番号 |
20K11005
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
白砂 恭子 名古屋学芸大学, 看護学部, 助教 (90851626)
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研究分担者 |
渕田 英津子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90315846)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超高齢者 / 独居 / 都市部 / 健康 / 生活の継続 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護職が実践している都市部の独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援を明確にすることである。2021年度は、都市部に居住する独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援を実践している看護職に、半構造化面接を実施した。その後、面接内容から逐語録を作成し、質的研究手法を用いて分析した。結果、看護職が実践している、独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援は、156コードが抽出された。それらの類似性や相違性を比較検討し、48サブカテゴリ、15カテゴリ、2コアカテゴリが生成された。看護職が実践している支援の内容は、<将来の意思を把握><日常生活活動の状況を把握><身体的な健康状態を把握><社会的な健康状態を把握><経済状況を把握><生活機能の維持を支援><生活機能の維持を目指したサービスの情報提供>から構成される【独居超高齢者への支援】、<インフォーマルサポートの有無を把握><フォーマルサポートの有無を把握><生活関連の情報をフォーマルサポーターと共有><生活機能の維持を目指した支援をフォーマルサポーターと協議><フォーマルサポートの利用を検討><生活支援をインフォーマルサポーターに要請><生活支援をフォーマルサポーターに要請><緊急時の体制を整備>から構成される【独居超高齢者を支援する体制の整備】であった。今後、研究結果を「看護職が実践している都市部の独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援」として論文化していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、超高齢者を対象とした半構造化面接調査から、都市部に居住する独居超高齢者の生活継続要件を明らかにした。調査結果から、超高齢者が疾病を持ちながらも独居生活を継続していくには、医療職の存在が要件の1つであると示された。そこで、2021年度は、超高齢者の身近に存在する医療職として、看護職の支援に注目した。本研究では、独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援を実践している看護職を、入院治療を要する状態であっても、独居超高齢者が健康に在宅の独居生活に復帰できるよう、療養上の支援を担う地域包括ケア病棟を有する病院看護師、独居超高齢者や家族の状況、居住環境などを査定し、必要な援助を調整・管理している看護師免許を保有する介護支援専門員(ケアマネージャー)、健康や安全面に重点をおいて支援している訪問看護師とした。これらの看護職に半構造化面接を実施後、調査結果を病棟看護師、介護支援専門員(ケアマネージャー)、訪問看護師ごとに分析を行ったが、これらの結果を統合するのに時間を要したため研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、看護職が実践している都市部の独居超高齢者が健康に生活を継続するための支援結果をふまえ、都市部に居住する独居超高齢者に対する質問紙調査を予定している。 調査は、研究協力の承諾が得られた、地域包括支援センターから無記名自記式質問紙調査を郵送して実施する。なお、質問紙調査の実施時期、対象者数、対象の選定・除外基準、選定方法、調査項目、分析方法等は、検討中である。質問紙調査の詳細が決まり次第、所属大学の研究倫理審査委員会に倫理審査を申請する。研究倫理審査委員会の承認後、政令指定都市の地域包括支援センターに依頼書を送付する。 質問紙調査から、超高齢者の生活実態や超高齢者支援の現状と課題を整理し、都市部に居住する独居超高齢者が健康に生活を継続できる要件の明確化を試みる。また、得られた結果をまとめ、関連学会において成果の発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会が、新型コロナウィルス感染拡大により、リモートでの実施となり、旅費を使用しなかった。 今後、質問紙調査を実施するため、質問紙調査票の印刷代、封筒、郵送料などの経費として使用する予定である。また、調査結果を質的帰納的に分析するため、MAXQDA統計ソフトの購入を予定している。
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