研究課題/領域番号 |
20K11013
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小林 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
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研究分担者 |
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 准教授 (20431596)
赤間 由美 山形大学, 医学部, 助教 (90700021)
遊田 由希子 (藤村) 岩手医科大学, 看護学部, 講師 (90336438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 加熱式たばこ / 紙巻たばこ / 20歳台30歳台女性 / 能動喫煙 / 受動喫煙 |
研究実績の概要 |
COVID-19対策とワクチン接種の準備で当初調査依頼を予定した市町村担当者が忙殺されていることを勘案して、(株)マクロミル社に調査を依頼し、妊娠期から育児期にある20歳台・30歳台の成人女性を対象に、紙巻たばこ(以下紙巻)と加熱式たばこ(以下加熱式)による能動喫煙・受動喫煙の実態と妊娠・出産、健康状態との関連を縦断的に明らかにすることとした。無作為抽出された20~39歳の女性619名(20歳台272名・30歳台347名)から調査の同意を得て分析対象者とした。調査は1回目を2021年2月実施し、2回目2021年9月、3回目2022年2月を予定している。 対象者の平均年齢30.6(±5.2)歳、職業は会社員238名(38.4%)、主婦141名(22.8%)、パート/アルバイト128名(20.7%)等、最終学歴は大学273名(44.1%)、高等学校140名(22.6%)、専門学校97名(15.7%)等であった。 1回目調査結果では、喫煙状況は喫煙経験無436名(70.4%)、過去喫煙116名(18.8%)、現在喫煙67名(10.8%)。20歳台の現在喫煙30名(11.0%)、30歳台は37名(10.7%)となり、いずれも令和元年度国民健康栄養調査(以下R1国民調査)の喫煙率よりも相対的に高かった。紙巻・加熱式別の喫煙率は20歳台7.4%・8.1%・30歳台5.7%・7.9%といずれもR1国民調査の喫煙率より相対的に高く、特に加熱式では約2倍となった。妊娠中の対象者は40名で、喫煙経験無32名(80.0%)、過去喫煙6名(15.0%)その内紙巻過去喫煙は2名、紙巻と加熱式過去喫煙は4名であった。妊娠中の現喫煙は2名(5%)1名は紙巻過去喫煙・加熱式現喫煙、もう1名は紙巻・加熱式共に現喫煙であった。 今後は対象者の喫煙状況と妊娠・出産、健康状態等との関連を縦断的に把握し検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初調査依頼予定であった市町村がCOVID-19対策とワクチン接種の準備で忙殺されることを勘案してインターネット調査に変更したが、調査時期、対象者数共に変更後の計画通りに進めることができた。調査項目に対する欠損はほぼゼロであり研究目的に即した統計処理・分析もおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1回目調査で妊娠・出産歴、健康感、現病歴を把握しており、紙巻たばこ・加熱式たばこの喫煙状況との関連について、2回目・3回目の調査結果と合わせ横断的・縦断的に分析し検討する。また、紙巻たばこ・加熱式たばこの組み合わせで喫煙パターンは9パターンとなり、喫煙パターン毎の特性を二次集計を進めて明らかにする。また、紙巻たばこ・加熱式たばこによる受動喫煙の実態について、20歳台・30歳台に分けてデータを分析し令和元年度国民健康栄養調査の結果と比較検討する。 当初計画通り、2021年9月に2回目の調査、2022年2月に3回目の調査を実施し、適時、関係する学会等で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により学会が出張を伴わないWeb開催となったこと、打当初は全国の市町村に母子健康交付に来所した妊婦への調査を依頼する計画であったが、COVID-19対策とその後のワクチン接種の準備等で市町村担当者は謀殺されていることを勘案して実績があり信頼できる業者を通したインターネット調査に変更したことから、打ち合わせや資料収集等を目的とする旅費に予定していた予算が執行されなかったため、次年度使用額が生じた。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画として、縦断的なデータ収集を予定しており、今後2回目、3回目の調査を実施すること、さらに調査対象者を研究目的に即して絞り込み対象数を拡大して分析することも視野に入れており、そのための財源として活用する。
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