研究課題/領域番号 |
20K11013
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小林 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
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研究分担者 |
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 准教授 (20431596)
赤間 由美 山形大学, 医学部, 助教 (90700021)
遊田 由希子 (藤村由希子) 岩手医科大学, 看護学部, 特任准教授 (90336438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 加熱式たばこ / 紙巻たばこ / 20歳台30歳台女性 / 能動喫煙 / 受動喫煙 |
研究実績の概要 |
(株)マクロミル社にインターネット調査を依頼し、2021年2月実施の1回目調査に回答した20歳台・30歳台の女性619名を対象者として、2021年10月2回目調査を実施した。調査内容は1回目調査と同様で、紙巻たばこ(以下紙巻)と加熱式たばこ(以下加熱式)による能動喫煙の実態等を縦断的に把握した。調査の同意を得た310名より回答があり、その内1回目と2回目の喫煙歴に明らかな齟齬がある22名を除外した288名(20歳台134名・30歳台154名)を分析対象者とした。 喫煙状況は紙巻の現喫煙11名(3.8%)、過去喫煙50名(17.4%)、喫煙経験なし227名(78.8%)で、1回目喫煙率5.6%より相対的に低下したが有意差は認められなかった(p=0.125)。現喫煙11名中10名は1回目調査でも現喫煙、1名は過去喫煙から現喫煙に変化していた。この1名は28歳、未婚、会社員で、あまり健康でないと回答し、周囲の紙巻喫煙者の存在が現喫煙に変化する要因の一つと考えられた。1回目紙巻現喫煙2回目過去喫煙は6名でその内3名は加熱式現喫煙であった。紙巻から加熱式に移行した可能性がある。 加熱式の現喫煙13名(4.5%)、過去喫煙36名(12.5%)、喫煙経験なし239名(83.0%)で、1回目喫煙率5.9%より相対的に低下したが有意差は認められなかった(p=0.289)。現喫煙13名中11名は1回目調査でも現喫煙、2名は過去喫煙から現喫煙に変化していた。内1名は37歳子供ありで紙巻現喫煙だった。 紙巻と加熱式共に喫煙経験なし225名(78.1%)・過去喫煙29名(10.1%)・現喫煙5名(1.7%)、紙巻過去&加熱式現喫煙8名(2.8%)、加熱式過去&紙巻現喫煙5名(1.7%)。紙巻・加熱式共に現喫煙は1回目調査10名(3.5%)よりも相対的に減少したが有意差はなかった(p=0.125)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年2月に実施した1回目調査の対象者619名を縦断的に調査することから、2回目調査では当初より50%の回収率を目標とした。結果的に310名(50.1%)から回答を得たが、1回目と2回目の喫煙歴に明らかな齟齬がある22名を除外した結果、分析対象者は288名(46.5%)となった。しかしながら、対応のあるデータであり分析には十分なサンプル数を得ることができた。調査時期は当初計画より1か月遅れたが、結果への影響は考え難い。一方、2022年3月に研究代表者の定年退職に伴う異動があり統計処理及び分析の時間的制約があったが、結果の概要は把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
紙巻きたばこ、加熱式たばこの喫煙率、紙巻・加熱式たばこ両方の喫煙率について1回目調査から2回目調査への統計的変化、また、紙巻たばこ・加熱式たばこそれぞれについて、過去喫煙から現喫煙への変化した対象者の属性の確認まで進めたので、研究目的に即して健康状態との関連、妊娠・出産との関連、受動喫煙の変化について一次集計、二次集計により明らかにする。1回目調査の1年後となる3回目調査で得たデータも含めて分析を進め、適宜関係する学会で報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度から引き続きCOVID-19の影響により、学会発表等に要する旅費の支出が執行されなかったことが次年度使用額が生じた主要な理由である。 次年度の助成金と合わせて、3回目調査のデータを収集し1回目、2回目調査とマッチングしたデータファイルを作成し、縦断的で詳細な分析を行うための財源とする。
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