研究課題/領域番号 |
20K11014
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡田 忍 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (00334178)
|
研究分担者 |
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 准教授 (00611691)
高田 和子 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80202951)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 口腔アセスメント / 介護支援専門員 / 高齢者 / 栄養状態 |
研究実績の概要 |
アルゴリズムの評価項目と評価方法の決定のために、データベースとして医央誌Webを用い、高齢者の口腔状態・口腔機能について評価している2016年以降の原著論文を検索し、抄録から高齢者の口腔機能の低下を反映している評価項目について記載されている論文を絞り込んだ。その結果、口腔機能の中でも舌圧や最大咬合力、オーラルディアコキドネシスが高齢者の口腔機能の低下を早期に発見可能な評価項目であることが示唆された。しかし、評価に舌圧計などの測定器具が必要なものもあり、介護支援専門員が評価可能な代替方法について検討が必要であると考えられた。 研究分担者の高田は既存の資料の検索により、口腔機能の低下が栄養摂取状況の自立(フレイル、サルコペニア等の発症)に及ぼす影響について検討した。 介護支援専門員の研修の参加者に対して実施した口腔アセスメントの実態調査についてまとめた。口臭、義歯の有無や不具合については多くの介護支援専門員がアセスメントを行っていたが、唾液量の過剰や歯の動揺といった口腔内の観察が必要な項目については実施していない場合が多く、口腔ケアに関する研修を受講している方がアセスメントの実施状況が良好であった。これについては、第26回日本在宅ケア学会学術集会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検索条件に該当した文献が379件あり、研究補助者では該当する文献を抽出することが難しいと考えられたため、研究代表者が抄録を精読し、該当する文献の抽出を行ったが、2021年度についてもコロナ禍による教育のエフォートの増加は継続しため、十分な時間を確保することが困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
アルゴリズムの評価項目についてはほぼ絞り込んだので、在宅で介護支援専門員が特別な測定用具がなくても評価可能な代替方法について検討するとともに、評価項目の優先順位を決定して、アルゴリズムを作成する。作成したアルゴリズムについてエキスパートパネルによる妥当性の評価を行い、介護支援専門員を対象に実施可能性について評価する。 また、2022年度は日本人の栄養摂取と高齢者の自立度の関連に関するデータを補填するために、国民健康・栄養調査成績の個別データの二次利用(1995年~2019年)により、栄養摂取状況が呼吸器感染症、認知症、腰痛、慢性腎疾患などに罹患しないでいられる健康寿命(DALYs)にどのように影響するかについて解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
介護支援専門員に対してアルゴリズムの評価項目の実施可能性について質問紙調査を実施する予定であったが、アルゴリズムの評価項目が確定していないため、質問紙調査に計上していた予算を使用できなかった。今年度以降は、介護支援専門員が在宅で評価可能な代替方法について検討するとともに、エキスパートパネルを経てアルゴリズムの評価項目を確定した上で、予定していた質問紙調査を実施する。
|