研究課題
本年度は以下のことを実施した。ワーク・エンゲイジメントを高める為の具体的な活動状況の有無や活動の阻害要因などの把握を通して、モデル構築の基礎情報をする為、自治体の保健部門の管理職を対象にインタビュー実施。また、これまで把握できていなかった中堅期の保健師を対象とした、仕事のやりがいや、ワーク・エンゲイジメントを高める要因、離職意識などに関するインタビューを実施、情報収集を行った。そして、これまでに得られた情報をもとにワーク・エンゲイジメントを高めるモデルの検討を行うと共にワーク・エンゲイジメントを高める為の研修会を実施した。結果、管理職は、ワーク・エンゲイジメントを高めるための組織的な活動を実施したいという意識は高いものの、具体的にそれらを実現するための活動をイメージすることが難しい状況にあった。そのような中、多くの管理職がワーク・エンゲイジメント高める取り組みとして、研修会への参加機会の確保と職場内での話し易い雰囲気作りを上げていたが、その効果についての検討はされていない。中堅期および新任期の職員のうち、ワーク・エンゲイジメントが高い職員は、地域の健康課題解決の取り組みに対して、仕事を任せられている感覚(裁量権)を実感しており、保健師活動への責任感とともにやりがいを感じていた。反対に、ワーク・エンゲイジメントが低い職員は、裁量権の実感は低く、単に仕事をこなしている感覚であり、専門職としてのやりがいを感じられていない状況にあった。これまでの研究結果を踏まえ、自治体の管理職の協力を得て、ワーク・エンゲイジメントを高めるモデルの検討を行い、それに基づき、研修会を実施した。参加者からは、保健師の離職を減らしていく為に、改めてワーク・エンゲイジメントの必要性を振り返るきっかけとなったという意見が多く聞かれた。