研究課題/領域番号 |
20K11017
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
和泉 比佐子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60295368)
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研究分担者 |
松原 三智子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20304115)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公衆衛生看護介入 / 教育用モデル / ミネソタモデル |
研究実績の概要 |
本研究は、保健師の基礎教育課程において地域アセスメントに基づく健康課題への介入方法を教授するために、ミネソタモデルに基づく公衆衛生看護介入のための教育用モデルを開発し、その有用性を検討することを目的に、3段階からの研究から成る。 2021年度はCOVID-19感染症の影響で遅れていた第1段階の保健師を対象にフォーカスグループインタビューを行い、介入の具体的内容を明確化し、教育モデル原案の項目作成を目指していた。 ミネソタモデルの17の活動方法(アドボカシー、ソーシャルマーケティング、施策化と施行、サーベイランス、疾病と健康調査、アウトリーチ、スクリーニング、ケースの発見、照会とフォローアップ、ケースマネジメント、委託された職務の遂行、健康教育、カウンセリング、コンサルテーション、協働、連携づくり、住民の組織づくり)の中で、公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラム(2017)に示されていない、ソーシャルマーケティング、照会とフォローアップ、委託された職務の遂行、コンサルテーションの内容の検討を行った。具体的な公衆衛生看護介入の内容において委託された職務の遂行に関しては、COVID-19感染症への対応において委託される状況よりも、保健師以外の専門職や専門職以外にアウトソーシングせざるを得ない状況が生じている現状から、内容の明確化に課題が明らかとなった。 公衆衛生看護介入の具体的容を明確化するために近畿および北海道において協力依頼をし、同意得られた経験年数10年以上の年の保健師(6~8名)の4グループを対象にミネソタモデルの17の活動方法に関して、我が国における具体的容についてフォーカスグループインタビューを行う予定であった。しかし、COVID-19の感染への対応で保健師業務が逼迫しており、協力依頼およびインタビューは2021年度も延期することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
近畿および北海道において協力依頼をし、同意得られた経験年数10年以上の年の保健師(6~8名)の4グループを対象にミネソタモデルの17の活動方法に関して、我が国における具体的容についてフォーカスグループインタビューをオンラインシステムで行う予定であった。しかし、COVID-19の感染への対応で保健師業務が逼迫しており、協力依頼およびインタビューは2021年度も延期せざるを得ない状況となった。また、近畿および北海道以外のフィールドの開拓もCOVID-19の感染への対応で保健師業務が逼迫しており、困難な状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19感染症の収束が見えない状況であるため、地域を限定せずに全国保健師長会等の職能団体に研究協力を依頼して対象者を得て、グループインタビューを実施する。インタビューで語られた内容について質的記述的分析を行い、公衆衛生看護介入の具体的内容を明らかにする。具体的内容を反映した公衆衛生看護介入の教育モデル原案を作成する。公衆衛生看護介入のための教育モデルの項目を同定するための保健師養成校の教員へのデルファイ調査の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は協力依頼をし、同意得られた経験年数10年以上の年の保健師(6~8名)の4グループを対象にミネソタモデルの17の活動方法に関して、我が国における具体的容についてフォーカスグループインタビューを行う予定であった。しかし、COVID-19の感染への対応で保健師業務が逼迫しており、協力依頼およびインタビューは再度延期せざるを得ない状況となった。そのため予定していた旅費等が未使用であり、2022年度は地域を限定せずに、全国保健師長会等の職能団体に研究協力を依頼して対象者を得る。そのための旅費と、インタビュー内容のテープ起こしの費用、教育用モデル案のデルファイ調査の準備費用に使用する予定である。
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