研究課題/領域番号 |
20K11019
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
森永 裕美子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (50756591)
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研究分担者 |
佐藤 睦子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (40737293)
中板 育美 武蔵野大学, 看護学部, 教授 (60392312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 児童虐待予防 / 父親理解 / リスクアセスメント項目 / アセスメントガイド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、父母両面からの乳幼児虐待リスクアセスメントを的確かつ普遍に欠落なく行い、虐待予防対策の充実に寄与するために、虐待予防のための個別アセスメントに資する父に関する虐待リスクアセスメント項目の明確化と標準的に活用するためのアセスメント視点をまとめたガイドを開発することである。現時点では虐待予防に向けたアセスメント項目が母に視点を置いたものであるとともに指標を用いている保健師等も母への支援傾向が強いことに対し、父への支援を目指し、父の特性を理解した虐待リスクアセスメントを提唱しようとすることである。 初年度は、乳幼児虐待リスクアセスメントにおける父に関するアセスメント項目とアセスメントの視点を実態把握する計画とした。研究班メンバーにて、父に関する実態や課題、どの時点のアセスメントが、今後の虐待予防に有効であるかの検討を繰り返した。 当初、人口3万人以上の全国市への自記式調査票調査を直ちに行う計画としていた。その後の計画で調査項目自体を分析し、父に関する虐待リスクアセスメント項目として構築する。このリスクアセスメント項目を市町で活用するためのアセスメント視点の解説を加えたアセスメントガイドの開発の計画である。しかし、この調査項目自体が構築するアセスメント項目及びアセスメントガイドに大きく関与してくることを鑑み、全国調査前に、乳幼児の虐待事例で父親関与事例に造詣が深く、課題意識をもっている専門家へのヒアリングを事前に行い、その結果から調査項目を作成することとした。 ヒアリング対象とする専門家は、死亡事例検証専門委員会経験者、弁護士、学校教育専門家、虐待加害者の支援者、児童相談所(児童福祉司)等へのヒアリングを予定し、研究班でヒアリング項目を検討し、研究代表者研究機関にて倫理審査委員会での審査を終えたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者のコロナ対応での大学業務ひっ迫と、期待する成果を見据えて、やむを得ず計画上追加としたヒアリングの実施を想定したため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒアリングは個人情報、秘密保持等、倫理的配慮を行ったうえで環境が整ったことを強みに、リモートで行い、研究班全員でヒアリングできるように設定する。 研究班全員でヒアリングができることにより、その後迅速にヒアリング結果の検討、次の全国の市町調査(本調査)の調査項目検討が可能となる。 調査票の配布は、市町のコロナウイルス感染症対応のための業務や、ワクチン接種業務に支障のない時期(8月以降)で配布を予定し、返送のあったものから分析データとしての入力を進める。 分析データ入力においては、研究代表者で依頼し、電子化できたものを研究班で共有し、アセスメント項目としての構築を行う。 同時に、アセスメント項目を試行使用を依頼する自治体をピックアップし、依頼交渉を行う。 研究班の中で役割分担をし、円滑な計画実行に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に全国市町への調査票送付の予定であったため、郵送費等の予算および、班会議予算を計画していたが、コロナの感染状況により、出張の禁止および、計画の修正によりヒアリングを先行したのちに、全国調査の運びとなったため。 2021年度に全国市町への調査票配布を行うため、準備作業人件費、郵送費、回答データの入力作業の人件費を使用することとしている。
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