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2020 年度 実施状況報告書

地域高齢者における将来の生活機能障害発生を予測するモデルの開発とその社会実装

研究課題

研究課題/領域番号 20K11020
研究機関九州大学

研究代表者

吉田 大悟  九州大学, 医学研究院, 助教 (10596828)

研究分担者 木村 安美  九州大学, 医学研究院, 講師 (00552415)
二宮 利治  九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードADL障害予測モデル / 地域高齢者 / リスクスコア
研究実績の概要

2020年度は、過去に取得していた2点間のADLのデータを突合して追跡研究を行い、地域高齢者における将来のADL障害を予測するモデルについて検討した。研究対象者は2005年に久山町の高齢者調査を受診した65歳から89歳の男女1471人のうち、ADL調査未実施またはデータ欠損者5人、ADL障害を有する254人、血液検査や身体計測などの健診データに欠損がある112人、追跡期間中に死亡した158人、2012年に実施されたADLの追跡調査未実施の34人を除外した908人である。追跡期間は2012年までの7年間であり、全ADL障害の発生を予測するモデルをロジスティック回帰分析で検討した。主要アウトカムであるADLはBarthel Indexを用いて評価し、95点以下をADL障害ありと定義した。危険因子の候補として、年齢、性別、BMI、血清アルブミン、糖尿病、高血圧、尿たんぱく、心血管病の既往、MMSEスコア、GDSスコア、喫煙習慣、運動習慣、日常生活の作業強度、教育歴、就労状況、婚姻状況、居住形態をモデルに投入した。最適なモデルに使用される変数の選択はbackward法によって決定し、選択基準のp値は0.20未満とした。
結果として、ADL障害を予測するモデルに選択された変数は、年齢、性別、血清アルブミン、糖尿病、MMSEスコア、GDSスコア、喫煙習慣、運動習慣、教育歴、居住形態であった。このモデルのC統計量は0.82であり予測能は良好であった。最終的に得られたモデルから、臨床や地域の現場で活用しやすいようにカテゴリーごとに点数をつけたリスクスコアを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、すでに蓄積していたデータを用いて、地域高齢者のADL障害を予測するモデルを検討し、リーズナブルな結果を得ることができた。次年度はこの結果を精査し、論文化を行うとともに疾患発症予測ICTツールへの実装を予定している。
以上のことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2021年度は、2020年度で検討したモデルの精査を行い、学会発表とともに論文化を進める。さらに、得られたADL障害発生予測モデルのアルゴリズムを既存の疾患発症予測ICTツールに搭載するためにIT企業と協議する予定である。
2022年度には、3回目の地域高齢者のADL調査を実施する。さらに、ADL障害発症のリスクスコアを搭載した保健指導用のICTツールを用いて、住民健診後の保健指導を実施し、その効果について検証する予定である。
懸念点として、新型コロナウイルスの影響によりICTツールの開発の遅れやADL調査や対面での保健指導が実施できない可能性がある。その場合には、zoomや電話・郵便を活用して研究を遂行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響によって、人件費と旅費の使用が困難であった。次年度以降に使用予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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