研究課題/領域番号 |
20K11026
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40582581)
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研究分担者 |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00433227)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 誤嚥性肺炎予防 / 特別養護老人ホーム / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
2021年度は、特別養護老人ホーム(以下、特養)の誤嚥性肺炎予防に必要なコンピテンシーの明確化を行うため、誤嚥性肺炎の予防について特養に勤務する職員にインタビューを行い、誤嚥性肺炎の予防に必要な看護問題について質的に分析を行う計画とした。 特養で働く看護師のコンピテンシーを明確にするために概念分析を行った。概念分析は、Walker&Avant(2008)の概念分析の手法を用いた。選択した概念の特性を検討するために国語辞典、看護辞典、関連書籍として2冊、高齢者施設ケアに関する国内の研究論文12文献を分析対象とした。特養における看護師のコンピテンシーについての記載内容を抽出し、類似性により整理したカテゴリーを命名し、6つの定義属性を示した。定義属性は「高齢者の価値観を尊重して生活を支援する力」、「高齢者の特性に応じた健康を維持する力」、「日常生活の延長線上にある自然な看取りを支える力」、「多職種と連携・協働する力」、「家族の心情を理解して支える力」、「ケア実践を通して自他が自己研鑽に臨めるようにする力」であった。また、先行要件は「特養での看護師経験年数」、「特養の看護師として仕事を肯定的にとらえる」、「学位や教育水準」、「研究会の参加」であり、結果は「高いケアの質」、「高い利用者満足度」となった。これにより特養の看護師のコンピテンシーを整理することができた。次いで、特養の看護師・介護士に誤嚥性肺炎予防ケアの実施内容やケア時の困難についてグループフォーカスインタビューを計画した。インタビューガイドは、概念分析を基礎資料として作成した。インタビューは、現在実施中であり、順次分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、特養の誤嚥性肺炎予防に必要なコンピテンシーの明確化を行うため、誤嚥性肺炎の予防について特養に勤務する職員にインタビューを行い質的に分析を行う計画をしていた。インタビューの対象者は、食事介助や口腔ケアの主な実践者は介護士であることから、看護師、介護士の両者を対象者とした。インタビューに関して、コロナ感染症拡大に伴い、インタビュー時期が延期したことで、インタビューおよび分析が現在実施途中である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、誤嚥性肺炎の予防について特養に勤務する職員を対象に、実践内容とケア時の困難についてフォーカスグループインタビューを行い、質的に分析し結果をまとめる。また、インタビュー結果を基盤に、行動レベルでのコンピテンシーの内容素案を作成する。専門家パネルを用いた検討会議を計画し、コンピテンシー項目の精選を行う。専門家パネルは、摂食嚥下障害認定看護師、特養に勤務する役職付き看護師、老健看護学領域の研究者で構成して開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
フォーカスグループインタビューの実施が途中であり、インタビュー参加者への謝礼、旅費、インタビュー助手アルバイト代、インタビューデータのテープ起こし費が必要となる。
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