研究課題/領域番号 |
20K11027
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
金子 典代 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50335585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性的少数者 / LGBT / 医療アクセス / トランスジェンダー / スティグマ |
研究実績の概要 |
本研究は、GID/GD/トランスジェンダー当事者を対象とした医療サービスへのアクセスの実態、アクセスの阻害要因、医療従事者への期待を明らかにすることを目的としている。 研究初年度に実施した量的調査(N=484)について、データ解析を進めた。対象者をMtF(N=153)、FtM(N=229)に限定し、これまでに体調不良時に受診をためらった経験、医療機関受診時に嫌な体験をした経験の2つのアウトカムと、年代、セクシュアリティ、戸籍性や戸籍名の変更経験、居住地、収入、ホルモン療法の経験、手術療法の経験、ホルモン療法やカウンセリング等の治療中断経験との関連を分析した。受診をためらった経験があることと手術療法を経験していること、治療中断経験があることに有意な関連があり、受診時に嫌な体験をしたことと、戸籍性を変更していないこと、職業が非正規であること、治療中断経験があることに有意な関連が見られた。またこの結果について、A県の産婦人科、助産ケアに携わる医師、助産師、感染症対策に従事する保健師、医師、看護師、養護教諭に対する研修会でも紹介し、結果のアウトリーチを行った。英国やEUでは、医療現場(医療機関、クリニック、健診機関)でもLGBTIのクライアントへの対応整備が進められている。実際にEUにおいて成功を収めた研修プロジェクトのマニュアルを取り寄せ、英国とイタリアの開発者と複数回にわたり協議、日本でも活用を進めるための検討ミーティングをオンラインで実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね、計画通りにデータ解析と研究結果の関係者への発信が実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降はさらに収集したデータの分析を進める。また医療機関で実際にできうる対応について追加調査、関係者との検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の拡大による、打ち合わせや学会発表に旅費の使用が減ったことがあげられる。差額については、次年度の研究成果の公表に活用する。
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