研究課題/領域番号 |
20K11034
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
鈴木 知代 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (50257557)
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研究分担者 |
伊藤 純子 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (10436959)
杉山 眞澄 静岡県立大学, 看護学部, 特任准教授 (50781738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 公衆衛生看護管理 / 公衆衛生看護管理能力 / 管理者研修プログラム / サーバントリーダーシップ / GROWモデル / ケースメソッド |
研究実績の概要 |
今年度は6回のフォーカスグループ・ディスシュカッション内容を分析し、結果を学会発表した。第82回日本公衆衛生学会では、「管理的立場の保健師の人材育成-管理能力の継承方法の検討-(第1報)」、「管理的立場の保健師の人材育成-GROWモデルを活用して-(第2報)」である。また、第12回日本公衆衛生学会では、「母子保健事業改善に臨む管理的立場の保健師の能力(第1報)-アクションリサーチを通して―」、「母子保健事業改善に臨む管理的立場の保健師の能力(第2報)-サーバント・リーダーシップの視点による分析-」である。 アクションリサーチの方法でA市に介入し、管理的立場の保健師と次期管理的立場となる保健師のグループディスカッションを通して、管理能力の伝承が行われた。語った内容を分析することで、伝承された能力が明確化された。これはアクションリサーチとして、研究者が介入することにより、得られた効果である。管理職はサーバントリーダーシップの視点で、役割を発揮していた。つまり、管理的立場の保健師への研修会には、サーバントリーダーシップの視点を盛り込むことが効果的であると検証されたことになる。一方、GROWモデルのステップに従って質問を繰り返すことで、管理的立場の保健師が大切にしている価値観やビジョンなどが明確となり、スタッフへの関わり方をふり返る機会につながった。GROWモデルも研修に必要な要素である。 さらに今年度は、クレームを題材にした研修(大阪市保健師研修、静岡県訪問看護ステーションスタッフ研修)を行い、ケースメソッドを導入して業務や組織改善の視点までを修得することができ、研修プログラムに活かしている。 以上より、最終目標である管理職の研修内容には、サーバントリーダーシップ、GROWモデル、ケースメソッドの活用が有効であり、研修に用いる概念を明らかにできたことが今年度の研究の概要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の研究で、管理的立場の保健師への研修プログラムに盛り込む概念を明確にし、具体的な研修内容の検討はすでに終了している。研修プログラムの内容として、ケースメソッドを導入し、ケースを活用することで公衆衛生看護管理能力を意識し、研修参加者が能力を各自をどのように伸ばしていくか、個人学習・グループ学習・全体学習で検討する。さらに、GROWモデルを活用して管理的立場の保健師の管理能力がこれまでの活動の中でどのように発揮されてきたのかを各自がふり返る。その中でサーバントリーダーシップの視点を提示し、各自が自分の行動をサーバントリーダーシップの視点でふり返るプログラムである。さらに、今後どのようにリーダーシップを発揮するのかを各自が検討する内容も盛り込んだ。 しかし、管理的立場の保健師への研修プログラム案は完成しているが、実際に、研修を実施して評価し、改善するまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
研修プログラム案ができたので、今後は管理的立場の保健師への研修を実施し、評価をおこなって、プログラムの改善を行う予定である。 現在、研修参加者を募集している。
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次年度使用額が生じた理由 |
完成している管理的立場の保健師の研修プログラムの実施・評価・改善のために、研修参加者の募集のための経費と研修実施のための経費、研修に使用するテキストの作成・製本費用が必要である。 今年度は、管理的立場の保健師の研修を実施して、評価し、改善する計画である。
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