研究課題/領域番号 |
20K11037
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研究機関 | 山陽学園大学 |
研究代表者 |
奥山 真由美 (小田真由美) 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (30293294)
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研究分担者 |
目良 宣子 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (20511596)
荒木 大治 山陽学園大学, 看護学部, 講師 (60587509)
田中 愛子 山陽学園大学, 看護学部, 助教 (40740650)
河田 恵子 新見公立大学, 健康科学部, 研究員 (20867428)
井田 裕子 山陽学園大学, 看護学部, 講師 (70639129)
塩谷 由加江 山陽学園大学, 看護学部, 助教 (50829322)
村田 幸治 山陽学園大学, 看護学研究科, 教授 (60523561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知症 / 軽度認知障害 / 予防 / 性差 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域高齢者の認知機能と身体・精神・社会的変化との関連を縦断的に明らかにすることである。研究の意義と重要性については、以下の通りである。未だ十分に解明されていない認知症と性差との関連について新たな知見を得ることができる。また、男性と女性の脳には解剖学的相違があることが明確にされており、脳機能の男女差も示唆されている。そのため、本研究結果より、男性、女性それぞれの認知機能の変化を脳機能の違いとの関連から検討することができる。 2022年度の研究実績は、以下の通りである。①地域在住高齢者の認知機能の縦断的調査:TDASは地域高齢者におけるMCIの検出に有用である可能性があることの示唆を得た。 ②MCIと性差の関連について:地域の高齢女性の初潮・閉経年齢と身体・精神・社会機能との関係を調査した。初潮年齢は、閉経年齢、年齢、血管年齢と有意な正の相関があった。閉経年齢は曝露期間と有意な正の相関があった。③COVID-19の大流行発生前の2019年と外出制限のあった2021年の高齢者の状態を比較したた。男性の右手握力、女性の右下筋力は有意に低下していた。運動機能、骨密度、FRAXには有意な差は見られなかった。④地域高齢者の認知機能スクリーニングとMCIに関連する要因について検討した。その結果、HDS-RによるMCIのスクリーニングが有用である可能性が示唆された。⑤地域高齢者の認知機能と社会的機能の関連について調査した結果、両者の関連はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であったため、2021年度より約100名を新規対象者とした高齢者の健康測定を行うことができなかった。そのため、地域高齢者の認知機能と身体的・精神的・社会的機能の縦断的変化について、十分に検討をすることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究により、認知機能とフレイルをはじめとした老年症候群との関連について、認知機能の正常な高齢者とMCIのある高齢者の身体・精神・社会的機能の違いにより検討することで、健康からフレイルあるいは軽度認知障害に至る身体・精神・社会的機能の変化の特徴についての新たな予測モデルを構築することができる。今後、認知症と老年症候群の関連について前向きコホート研究によりモデルの検証を行うことで、両者(認知症と老年症候群)の関係性について健康な状態から要介護状態に至るまでの縦断的な見地からみた学術的根拠を明確化することが可能になる。さらには、MCIとフレイルの関連からみた新たな認知機能低下の早期発見指標の検討や今後の介護予防策についての提言を行うことが可能となると考える。,性差を生み出すメカニズムはどのようなものかを明らかにするために,今後も心と脳の性差研究が進められることが期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究目的を達成するための調査の実施について、コロナ禍による計画した調査を行うことができなかたっため、研究機関をもう1年延長し、調査研究を継続するため。使用計画としては、地域高齢者の健康測定を行う上での消耗品費や学会発表、論文作成、報告書作成などにかかる経費の支出を予定している。
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