研究課題/領域番号 |
20K11046
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
稻留 直子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (60709541)
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研究分担者 |
丹羽 さよ子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00197550)
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
森 隆子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50507126)
米増 直美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (80326115)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害児 / 島嶼 / サポートファイル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達障害児の相談支援・移行支援を目的とした効果的なサポートファイル活用のための「活用マニュアル」を島という医療資源の乏しい、閉ざされた特徴を生かした支援圏で作成・導入し、その有用性を検証することである。 すなわち、行政により導入された「移行支援シート」の活用の実態、評価を初めて支援圏全体の全保育所等・小学校に対し調査を行い明らかにし、また、調査対象地域である島で活動する発達障害児の育ちの支援を行う有志グループと課題を整理し問題点を抽出し解決策を検討してマニュアル作成・評価を行うことである。 そのため、移行期の第1段階である保育所等から小学校への移行に際し、送り手側と受け手側がサポートファイル利用時に感じている課題やその内容を明らかにし、問題点を抽出した後、島内関係機関の有志グループと改善策を検討し、活用マニュアルを作成する。最後に、活用マニュアルを島内機関に導入してその効果を検証することととしていた。 具体的には、2020年度は、サポートファイル利用時の実態調査を党内5か所の保育所と26校の障害児支援に携わる小学校と研究計画等について検討を行う予定であった。 下準備としてテーマに関連する文献や資料の収集を行い、アルバイトを雇用し情報の整理を行った。また、電話等で島内の関係機関と今後の研究の進め方や時期・方法等について打ち合わせを行った。 次年度は、感染症の蔓延状況を見守りながら、現地での打ち合わせ、調査対象施設への依頼を行うための準備は十分に行えたものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、サポートファイル利用時の実態調査を行う予定であった。対象は①「送り手側」である島内保育所等15か所の障害児支援に携わる職員②「受け手側」である島内小学校26校の障害児支援に携わる教員とし、方法としては、送り手側、受け手側が「サポートファイル」記載に関して感じている課題、既存ファイルの利点などの実態について、聞き取り調査を行うこととしていた。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の発生および県内での蔓延を受け、研究協力者からの要請もあり、現地に赴き予定の活動を遂行することができなかった。 そのため、研究に関連する文献、情報収集、整理を行い、電話等で現地の関係者等と今後の研究計画について打ち合わせを行うことはできた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、サポートファイルの「活用マニュアル」の作成を行う。方法は、① 聞き取り調査の内容の逐語録から、「送り手側」「受け手側」それぞれの課題を明らかにし、問題点を抽出する。② 明らかになった課題を整理し、島内協力組織である「種子島四葉の会」のメンバーで検討して問題点等を抽出する。③ 整理された問題点等を元に、「活用マニュアル(案)」を作成する予定であったが、2020年度の進捗が遅れているため、まず、2020年度に予定していた、現地の対象者への研究協力依頼と研究計画について現地で直接打ち合わせを行い、実態調査の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、当初予定していた現地での協力依頼や研究説明等の打ち合わせ、および、学会のオンライン開催によって、予定していた旅費の支出が全くなかったため次年度使用額が生じた。 次年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況も踏まえつつ、2020年度に実施できなかった現地調査等を行う予定であり、そのための旅費等に使用予定である。
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