研究課題/領域番号 |
20K11050
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
黒河内 仙奈 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (40612198)
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研究分担者 |
間瀬 由記 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (60256451)
島津 尚子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (90738866)
小河原 格也 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90570565)
末田 千恵 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (50622685)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホームエバリュエーション / 退院前訪問指導 / 回復期リハビリテーション病棟 / 多職種連携 / ホームエバ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、患者の安全や介護負担の軽減、QOLの維持・向上に寄与する療養環境調整の構成要素を明らかにすることで、従来の各職種が用いてきた転倒予防に特化したガイドラインではなく、多職種が活用可能な退院前訪問指導(ホームエバ)マニュアルを開発することである。 2022年度は、前年度に引き続き、先行研究のレビューを行うことにより、国内の退院前訪問指導(ホームエバ)に関する研究の動向を把握するとともに、今後の研究課題について整理した。また、「退院前訪問指導」は、手順や観点が各病棟で実施者の経験や力量に依るものが多く、標準化はされていないため質の保証が極めて難しいことに加え、基礎教育での学習機会が十分でなく、新人スタッフにおける退院前訪問指導への困難感が強いことに着目し、文献検討を行った。 次に、全国回復期リハビリテーション病棟を対象にホームエバの実施状況や評価、関わる専門職などについての質問紙調査の準備を引き続き行った。文献レビューをもとに、回復期リハ病棟において、ホームエバの標準化が図れているか、職種や経験の有無により実施や患者アウトカムに差が生じているのではないか等の現状を明らかにするために、ホームエバの実施状況(経験の有無、1 か月あたりの実施件数、訪問計画・内容、使用する記録の種類、教育体制、評価方法、退院後指導の実施状況、退院した患者の転倒率、再入院率)等の調査項目の検討を行ったが、前年度と同様に新型コロナウイルスの影響を受け、臨床での調査は対象者への負担が大きいことを鑑み、調査の実施にはまだ至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、文献検討を行い、回復期リハビリテーション病棟における退院前訪問指導の実態把握の基礎資料に資するため、回復期リハ病棟に勤務する専門職を対象に、職種や経験の有無、患者アウトカムなどについての全国調査を実施する計画であった。2020年度と同様に、新型コロナウイルス感染症の影響により、施設が調査協力を受けることができる状況ではないことが予測されたため、調査項目の内容の検討までを行い、調査実施には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画として、質問紙の発送・回収を行う。また、データ分析を行うとともに、それらの結果から回復期リハビリテーション病棟における退院前訪問指導の実施状況(訪問実績、関連する専門職種、関連職種の経験年数、患者アウトカムなど)について分析を行う。さらに、先行研究により作成したホームエバの手順書案については、実際の臨床現場に即したものであるかを確認するために、多職種からなる研究メンバーで、内容妥当性を検討し、洗練したものを用いて、臨床の専門職を対象に内容妥当性および表面妥当性の検討のためのヒアリングを行う予定である。多職種で活用可能な退院前訪問指導マニュアルを作成できるよう、様々な関連職種を調査対象とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献検討は所属機関においてデータベースを使用し、オンラインジャーナルからダウンロードすることで、文献複写の費用を抑えることができた。当初の計画では、2022年度は全国の回復期リハビリテーション病棟に勤務する専門職への質問紙調査を実施する予定であったが、調査票の発送まで至らなかったため、次年度使用額が発生した。
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