研究課題/領域番号 |
20K11066
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
野中 雅人 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30835286)
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研究分担者 |
服部 ユカリ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00272899)
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 特任講師 (00596306)
牧野 志津 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30814503)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 頭頸部癌 / 化学放射線療法 / 口腔内評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、化学放射線療法を受ける高齢頭頸部癌患者の口腔内有害事象を評価するツールの開発である。現在データ収集中であり、まだ分析には至っていない。量的・質的データ収集後に分析に入る予定であるが、本研究が大学病院医師や看護師との連携により遂行されている旨を大学の広報誌に投稿し広く活動を公表した。 サンプルサイズは、検出力を0.8としてt検定などで必要な症例数を目標とした。旧オーラルアセスメントガイドによる評価群を50例、5項目(疼痛、味覚障害、嗅覚障害、開口障害、感染)を追加した評価群を50例予定している。現在、旧オーラルアセスメントガイドによる評価群は36例、5項目を追加した評価群は30例である。対象の選定に関しては、口腔内を照射野に含み、化学療法を行っている者としており、下咽頭がん23例、中咽頭癌19例、口腔癌6例、声門癌8例の他、上顎洞癌、上咽頭癌などであった。平均年齢は73歳だった。中咽頭癌、下咽頭癌の患者が多く、放射線療法(VMAT)と化学療法(DP療法)の併用療法を実施してる症例が多かった。また化学療法には、動注化学療法や分子標的薬を使用した事例もあった。まだ分析に至っていないが、データ収集の過程では定期的な口腔内評価により、鎮痛薬の使用開始時期が早まったなどの看護ケアへの影響が一部で認められた。 今後は口腔内評価ツールによる評価点の経過や看護ケアへの影響について分析する。また治療完遂率、体重減少率、入院期間と年齢、癌腫、治療や看護ケアなどとの関連についても分析する。本研究は混合研究であり、評価を実施した看護師へのインタビューにより質的にも分析を行う。従来の器質的口腔ケアが継続されると共に、本ツールにより味覚障害、嗅覚障害、開口障害などについて観察が行われ、病棟において機能的口腔ケアが実践されているかについても検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭頸部外科病棟の医師や看護師と連携し、入院患者の選定や同意の取得、データ収集などを継続して行っている。研究開始にあたり、病棟看護師に対し口腔内評価について講義し、ペンライトを配付した。その後も病棟看護師のがん化学療法認定看護師が継続して新人などへ指導を行っている。 当初65歳以上の高齢頭頸部癌患者は、年間40例程度入院治療すると予測していた。しかし65歳以下の入院患者が多く、さらに2020~2021年度はコロナ禍による入院制限もあり、予測していたサンプルサイズには至らない状況である。病棟の状況も確認しつつ、現在も病棟と連携しデータ収集を継続している。サンプルサイズは、上記実績概要にも記載した通り、旧オーラルアセスメントガイド群を50例、5項目を追加した口腔内評価ツール使用群を50例である。 本研究は混合研究であるため、口腔内評価ツールにより評価を行った看護師を対象にインタビューを実施している。計7名を予定しており、現在3名のインタビューを終了している。インタビューは逐語とし、質的統合法(KJ法)により個別分析、総合分析を行う。 本年度10月頃よりデータ分析を開始する予定であり、疼痛などの評価項目を追加した評価ツールを完成させる。
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今後の研究の推進方策 |
今後もコロナ禍における患者の入院状況や病棟の状態に応じて、引き続きデータ収集を実施する。昨年末頃より全例ではないが口腔粘膜保護剤(エピシル)などが導入されるようになっており、様々な交絡因子の増加により評価が困難になる事案が懸念されるため、頭頸部外科医師と連携しながら調査を進める。分析に際し、サンプルサイズにより多変量解析が困難であれば、群間比較や相関係数などによる分析を行い、インタビューによる質的研究と合わせて開発中の口腔内評価ツールを作成する。 本年度10月頃までに量的・質的データ収集を終え、随時分析を開始し来年度には執筆を開始し学会発表や論文投稿を行う。 予定していた備品については随時購入しているが、コロナ禍により不要と考えられた備品は購入対象から除外し、新たにZOOMによるインタビューに必要なタブレット式PCの購入を行うなど、調整しながら研究を進めている。今後は分析に必要なソフト類の購入を検討する。コロナ禍により学会参加のための旅費代などが繰り越されているが、WEB開催の学会には随時参加し高齢者のがん治療に関する最新のトピックなどを把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた備品については随時購入しているが、コロナ禍により不要と考えられた備品は購入対象から除外し、新たにZOOMによるインタビューに必要なタブレット式PCの購入を行うなど、調整しながら研究を進めている。そのためコロナ禍により購入を再検討した備品や学会参加のための旅費代などが繰り越されている。 WEB開催の学会には随時参加し高齢者のがん治療に関する最新のトピックなどを把握すると共に、計画通り分析に必要なソフト類の購入を検討する。
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