研究課題/領域番号 |
20K11072
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
森 隆子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50507126)
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研究分担者 |
波多野 浩道 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (50164851)
稻留 直子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (60709541)
兒玉 慎平 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (80363612)
米増 直美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (80326115)
河合 渓 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (60332897)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オンライン調査 / プレ調査 / 健康危機時の実践 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域醸成型の看護実践における先駆的事例である島嶼看護職の経験を連続的に捉えることで、その熟達過程を統合的にモデル化し、さらに妥当性の高い学習プログラム教材を考案することである。2020年度は、研究の第一段階として、島嶼の熟達看護職における島嶼文化に即した全人的看護実践過程の様相を明確化し、「熟達者モデル」をつくることで、個人ならびに地域レベルでの熟達を推進する構造要因を明らかにすることであった。ところが、新型コロナウィルス感染症の急激な拡大に伴い、医療体制が脆弱となりやすい島嶼部においても多くの感染者が確認されるようになった。特に4月時点では最優先のフィールドとして設定していた本県の奄美群島においても数多くの感染者が確認され、緊急共同メッセージが島嶼部から声明として公表されるなど、研究の調整・交渉が厳しい事態となった。特に、主として研究対象に設定していたへき地診療所看護師は、常勤医師が不在の体制下において感染症対策の要となる存在であることから、接触や負担を最小限とするために、令和2年度に予定していた研究の開始を令和3年度に延期することとした。今年度は、従来関係性を構築していた島嶼部(1か所)の地域医療に従事する看護職を対象にしたパイロットスタディ(一部ヒアリングを含む)をオンラインで実施する形で情報収集を行い、健康危機管理下における看護者の役割について、島嶼部に特化したガイドライン等が未整備の段階であることから、多くが混迷期にある状況がうかがえた。また、他SNSを含むメディア等の情報把握から、本研究テーマに関連する現状把握の重要性も示唆された。令和3年度以降、上記状況の継続が懸念されたことから、オンラインによる調査実施の実現に向けた環境整備を行いつつ、そのほかにも研究倫理審査委員会の申請手続きに向けた準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により、対象地域・対象施設・対象者の研究の受け入れ態勢が整わなかったため、遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
対象地域・対象施設・対象者の研究の受け入れ態勢が整い次第、倫理委員会の手続きを進めて、インタビュー調査を開始する。計画でもオンライン調査を積極的に導入し、遅延の拡大を防ぐ予定である。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで遅延がさらに延長する場合には、研究期間の延長も視野に入れて計画を調整していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、特に医療体制が脆弱となりやすい地域を対象としたテーマを取り扱う兼ね合いから、実態調査が不可能であった。そのため、オンライン調査および会議用の物品類の購入による環境整備を重点的に行い、現状の使用となった。次年度使用額については、新型コロナウイルス感染症拡大の状況も踏まえつつ、2020年度に実施できなかった現地調査等を行う予定であり、そのための旅費等に使用予定である。
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