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2021 年度 実施状況報告書

自動翻訳機導入による看護職の文化能力への効果と文化ケア研修プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K11076
研究機関愛知県立大学

研究代表者

柳澤 理子  愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30310618)

研究分担者 杉山 希美  金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10527766)
横山 加奈  愛知県立大学, 看護学部, 講師 (20551683)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード自動翻訳機 / 外国人 / 文化能力 / 異文化看護 / 異文化感受性 / 異文化コミュニケーション / 調査研究
研究実績の概要

2021年度は、昨年度全国の病院を対象に実施した調査について分析した。外国人居住者が10万人以上かつ外国人延べ宿泊者数が100万人以上の都道府県に所在する、一般病床100床以上を有する902病院に調査を依頼し、承諾が得られた33病院の看護師に1116部の質問紙を配布し、453人から回答を得、有効回答403件を分析した。
33病院のうち、JMIP取得病院は7件であった。回答者403人のうち女性が384人(95.3%)で、外科病棟勤務が最も多く102人(25.3%)であった。過去1年間に外国人患者対応経験のある者は371人(92.1%)で、対応人数は5人以下が最も多く150人(37.2%)、6~10人が94人(23.3%)であったが、21人以上も72人(17.9%)いた。日常会話以上できる外国語がある者は56人(13.9%)、海外留学経験39人(9.7%)、留学以外の海外滞在経験28人(6.9%)、異文化看護や国際看護の教育を受けた者は123人(30.5%)であった。臨床で通訳や自動翻訳機の利用経験がある者は335人(83.1%)、自病棟に自動翻訳機が導入されている者は158人(39.2%)、自動翻訳機の使用経験は263人(65.3%)、通訳利用経験は205人(50.9%)であった。
2変量解析では、異文化感受性、異文化コミュニケーション、文化能力の総得点は、いずれも海外在住経験、異文化看護の教育経験、通訳や自動翻訳機利用経験などで有意差が認められた。また、異文化感受性、異文化コミュニケーションは、JMIP認証の有無と関連があったが、文化能力については関連が認められなかった。
横断調査であるため、因果関係の方向性は確定できないが、自動翻訳機導入は、留学経験や外国語能力と同様に、異文化をもつ患者への看護師の対応能力を向上させる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査に引き続き、自動翻訳機を病棟に導入した介入研究を実施する予定であったが、新型コロナ感染症の影響で介入実施を受諾していただける病院がほとんどなく、現在対象範囲を拡大して介入研究の可能性を探っている。

今後の研究の推進方策

病院に対する介入研究が可能になった場合は、計画通り介入研究を実施する。受入れ先の獲得ができなかった場合は、自動翻訳機導入の文化能力への効果に関する知見を得るため、他の研究方法を検討する。
併せて、訪問看護ステーションを対象に同様の質問紙調査を実施する準備を進めており、在宅での介入の可能性を探っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の影響で、実施予定であった介入研究が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。現在、在留外国人の多い都道府県に絞っていた対象病院を全国に拡大して、介入研究の可能性を探っている。承諾が得られれば、次年度介入を実施予定。

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公開日: 2022-12-28  

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