研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度に実施したインタビュー結果の分析を行った。産業保健師の経験年数は,平均21年(範囲6~33年),中堅前期(6~15年)4名,中堅後期(16~25年)2名,ベテラン期(25年以上)5名であった。産業保健師は,P(計画),D(実施),C(評価),A(改善)のプロセスに基づいて,企業の健康ニーズに基づく施策化を実現していた。P(計画)の立案では,【課題の洗い出し】【施策案検討】【計画案】【計画案の事前相談】【会議体で提案】【組織化】に分類された。DO(実施)においては, 【実施内容】や【実施内容の工夫】に分類された。C(評価)においては, 【アウトプット評価】【影響評価】【プロセス評価】【費用対効果】の4つのカテゴリーに分類された。Act(改善)においては,実施後のアンケート結果を≪フィードバック≫し≪改善に向けた見直し≫を行い≪次年度に繋がる流れ≫を検討して【改善】する部分を検討していた。また企業において産業保健師の存在は,【身近な相談相手である医療職】であり≪キーパーソン・経営層を巻き込む≫ことで,【横のつながり】を大切にしていた。保健師の【ワーク・エンゲイジメント】が高い状態であった。産業保健師は,≪キーパーソンとの連携≫やキーパーソンと一緒に≪実施の方向性を探る≫ことで【キーパーソン】と協働していた。企業全体の【健康意識の向上】をさせることや,【一体感】が生まれていた。 施策化の実現にむけた課題を抱えながら、組織・専門職同士・専門職以外との対話を大切にすることで、施策化実現にむけた促進要因として、【一致団結して目標達成に向けて協働】【他部署と連携体制を構築】【組織を巻き込むことでの実現可能性の兆候】が抽出された。本研究成果については、パンフレット、論文投稿を作成し還元予定である。
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