研究課題/領域番号 |
20K11100
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤野 成美 佐賀大学, 医学部, 教授 (70289601)
|
研究分担者 |
重松 由佳子 (有馬由佳子) 久留米大学, 医学部, 教授 (90320390)
古野 貴臣 佐賀大学, 医学部, 助教 (90775363)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 働く女性 / 節酒支援 / 飲酒量 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、特定保健指導を利用した女性多量飲酒者を対象として、多量飲酒による健康問題や社会的影響の明確化および女性多量飲酒者に対する特定指導の実態の明確化を行い、その結果を踏まえ、節酒支援ガイドラインを開発しその有用性を検証するものである。 アルコール健康障害対策(2019)において、女性の特徴を考慮することの重要性が示唆されていることから、本年度の研究目的は、子育て期の働く女性が認識する飲酒量に影響を与える要因を明らかにし、節酒支援の示唆を得ることとした。調査対象者9名に対して、インタビューガイドに沿って質問を行い、質的分析を行なった。その結果、子育て期の働く女性が認識する飲酒量に影響を与える要因について41コードが抽出され、分析手順に従い12のサブカテゴリ、さらに意味内容の類似するものを5つのカテゴリ、つまり【飲酒に期待する効用】【飲酒によって生活に支障をきたした経験】【周囲との付き合い】【自分の役割に対する責任感】【自分なりの適度な飲酒の基準】を抽出した。Prochaskaの行動変容ステージモデルにおいて,生活習慣の変容に向けて関心を持つためには,根気強い情報提供が求められるが,女性が飲酒に関する健康問題に気づき対処していくうえで,一方的な情報提供だけでは限界があることが示唆された。そのため,保健指導を中心とした節酒支援を行うだけでなく,健康に関する情報を正しく取捨選択し,活用できるヘルスリテラシーが向上できるような健康対策を実施する必要があると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、インタビュー調査の対象者である女性の多量飲酒者や保健師のリクルートが困難であったが、本年度の研究目的は概ね達成された。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の研究結果を参考にして、次年度は、保健師や女性多量飲酒者に対してインタビュー調査を継続する。その後、実態調査のデータを元に、節酒支援ガイドライン考案に向けて検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外や首都圏へのヒアリング調査を予定していたが、コロナ禍により調査の実施が困難であった。感染状況によるが、次年度に実施予定としている。
|