研究課題/領域番号 |
20K11107
|
研究機関 | 宮崎県立看護大学 |
研究代表者 |
串間 敦郎 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (20214950)
|
研究分担者 |
中角 吉伸 宮崎県立看護大学, 看護学部, 助教 (30812862)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 地域高齢者 / 運動プログラム / 低体力者 / フレイル / 運動継続支援ソフト |
研究実績の概要 |
本研究は、地域高齢者の元気度(健常、フレイル、プレフレイル)に応じ試案した各種運動プログラムによる介入効果について分析し、プログラムそのものの効果を検証することで、元気度別に有効なプログラムを作成し、実施した地区から市全体へ作成したプログラムを展開し、広げていこうとするものである。しかし、令和4年度もこれまで同様、新型コロナウイルス感染は収束していなかったが、可能な範囲で調査、実証研究を行った。 まず、12年前にモデル地区となったフィールドで体力測定とアンケート調査を実施し、フレイルの該当者を把握した。「フレイル予防のための運動」のパンフレットを作成し、自宅を訪問に了解した参加者20名に配布し、フレイル予防について啓発した。そして「高齢者用体力診断ソフト」を完成させ、体力測定を行った参加者に結果を配布した。 また作成した要支援・要介護者向けに、令和3年度に作成した暫定版の介護運動プログラム冊子を使用して、施設職員による運動指導を行った。汎用性や安全性、実効性の視点で効果検証を行った。現在も運動の実施やデータ測定は継続中であるが、汎用性や安全性は確認できた。今回作成した運動プログラムは、共同研究者の理学療法士と追加修正等行い「要支援・要介護者のための介護予防運動プログラム」として冊子化およびDVD作成し、今後関係機関と利用を進めていく予定である。 そして継続して作成中であった「高齢者用運動継続支援ソフトウェア」を完成させた。昨年のバージョンからブラッシュアップした事は、利用のし易さと「高齢者用体力診断ソフト」とリンクさせ、高齢者が各自の体力測定のデータをチェックできるようにした点である。当初は3年の事業期間であったが、新型コロナウイルス感染拡大のため、実施計画のようには研究が進捗しなかったため、1年の事業延長を認めていただいた。残りの1年で、実証等行い、研究発表等進めていきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度は最終年度であり、地域高齢者の元気度(健常、フレイル、プレフレイル)に応じ試案した各種運動プログラムを実際にフィールドで実施し、体力測定や運動効果の評価を行い、その結果を基にプログラムの修正や追加等行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、フィールドへの効果検証が十分行えなかったが、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、これまでできなかった自宅訪問や、効果検証等も行いやすくなる事が予想され、運動プログラムをある程度は完成したことから、今後研究を進め、研究内容の公表を行っていきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度に2地区で体力測定を実施したが、自宅を訪問しての体力測定は実施できなかったため、まず訪問測定を行う。また今回作成した、「高齢者用運動継続支援ソフトウェア」「高齢者用体力診断ソフト」も活用し、健康寿命延伸の効果について検証したい。 また今回2地区で測定を行った高齢者の中に、10歳以上歳を重ねても体力の低下があまり見られなかった者がいた。また自宅を訪問しての対象者にも大きく低下している者やそうでないものいると予想されることから、生活習慣等について調査しその要因について調査していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、予定通り研究を進めることができなかった。 そこで、2023年度に検証や研究成果の発表を行う予定であり、具体的に次のことを実施していきたい。 体力測定を実施した2地区に、「高齢者用運動支援ソフト」ソフトの利用を促し、その効果を調査する。体力測定の結果、体力低下の少なかった参加者に対し、個別の調査を行う。そして施設や訪問看護利用者に、「要支援・要介護者のための介護予防運動プログラム」を実際に行ってもらい、その効果を検証する。
|