研究課題/領域番号 |
20K11124
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
吉田 美由紀 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (80866442)
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研究分担者 |
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 在宅緩和ケア / 終末期がん / コーディネーター |
研究実績の概要 |
終末期がん患者の「住み慣れた場所で最期を迎えたい」という願いを叶えるには、在宅緩和ケアの提供体制が必要である。申請者は愛媛県委託事業において、愛媛県下の各地域に在宅緩和ケアの提供 体制を構築し、それぞれの地域で在宅緩和ケアコーディネーターを育成してきた。在宅緩和ケアコ ーディネーターとは、終末期がん患者の状況に応じて在宅緩和ケアをタイムリーに調整し、導入する 役割を持つ人材として、申請者が携わる愛媛県委託事業で独自に考案したものである。先行研究にお いて、このような役割を担う人材の必要性は示唆されているが、その育成方法については確立されて いない。本研究では、愛媛県で実際に成果を上げている在宅緩和ケアコーディネーターに対してイ ンタビューを行い、役割遂行上の困難と、その困難を乗り越えるに至った要因について明らかにすることを目的とする。その結果から在宅緩和ケアコーディネーターの育成方法を開発することで、がんになっても住み慣れた場所で最期を迎えられる地域づくりに貢献すると考える。 2020年度においては、終末期がん患者の在宅看取りの要因について調査し、在宅緩和ケアコーディネーターが、在宅での最期を望む終末期がん患者と家族に対してどのような役割を担う必要があるのかを考察し、インタビューの質を向上するための予備知識を得た。そして、愛媛県内5地域で活動する在宅緩和ケアコーディネーターがその役割を遂行する上での困難と、その困難を乗り越えるに至った要因を明らかにするために、在宅緩和ケアコーディネーターが役割を果たす上での困難が幅広く語られるようなインタ ビューガイドを作成した。次年度、実際に在宅緩和ケアコーディネーターへのインタビューの実施が行えるよう、研究倫理審査委員会に研究計画書を提出し承諾を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度においては、終末期がん患者の在宅看取りの要因について調査し、在宅緩和ケアコーディネーターが、在宅での最期を望む終末期がん患者と家族に対してどのような役割を担う必要があるのかを考察した。それにより、インタビューの質を向上するための予備知識を得ることができた。そして、愛媛県内5地域で活動する在宅緩和ケアコーディネーターがその役割を遂行する上での困難と、その困難を乗り越えるに至った要因を明らかにするために、在宅緩和ケアコーディネーターが役割を果たす上での困難が幅広く語られるようなインタ ビューガイドを作成した。次年度、実際に在宅緩和ケアコーディネーターへのインタビューの実施が行えるよう、研究倫理審査委員会に研究計画書を提出し承諾を得ることができた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、研究内容に関する研究者の能力開発や研究実施に係る関係者との打ち合わせなどの事前準備が十分に行えていないため、次年度、それらの活動を行った上で、実際のインタビュー活動を行なっていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
在宅緩和ケアコーディネーターの困難とその困難を乗り越えるに至った要因を明らかにするために、在宅緩和ケアがどのようなケアであるかを明らかにする必要があると考えた。在宅緩和ケアの内容を明らかにすることで、コーディネーターが直面する困難や、その困難を乗り越える体験を、研究者がより理解できるように分析能力の向上を図りたい。前年度においては、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、研究内容に関する情報収集や関係者との打ち合わせなどの事前準備が十分に行えていないため、次年度、それらの活動を行った上で、在宅緩和ケアコーディネーターへのインタビューの実施を行いたい。次年度においても新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初の計画の遅延が予測されるため、ITを活用して進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、研究内容に関する情報収集や事前準備のための活動制限があった。そのため、主に交通費、人件費・謝金が発生しなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。次年度は、新型コロナウィルス感染拡大の状況をみながら、研究の遂行に必要な準備活動を行っていきたい。
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