研究課題/領域番号 |
20K11131
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 明弘 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (20320054)
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研究分担者 |
廣西 昌也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80316116)
早川 博子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (30722897)
川村 晃右 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (20708961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 瞑想 / 介護家族 / 認知症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症高齢者を自宅で介護する家族が抱える心身の不調に対して、瞑想が及ぼす影響について検証することである。そのためのフィールドとして、和歌山県立医科大学附属病院紀北分院の認知症カフェを予定していたが、令和3年度も令和2年度同様に、新型コロナウイルス感染症の影響により、同カフェが再開されることはなかった。また、本研究の対象となる認知症高齢者を介護する家族の多くが高齢者であるため、別の機会を設けて対象者を集め、研究を実施することも不可能な状態であった。したがって、この2年間は、当初予定していた計画が、ほぼ実施できていない。令和4年度は、新型コロナウイルス感染予防の知見の蓄積やワクチン接種状況、および現下の感染者数などを鑑みて、認知カフェの再開を待つことなく研究に着手するために、感染防止に最大限の注意を払ったうえで、瞑想会を計画している。具体的には、紀北分院の利用者サービスのひとつとして、認知症高齢者および介護家族を対象とした瞑想会を計画し、参加を希望する方の中から研究対象者を募り、調査を実施する予定である。なお、会場での密を避けるために、瞑想会1セッションでの研究対象者は5名程度を考えている。1セッションでは、毎週1回、計4回の瞑想を実施し、初回と最終回、および最終回の2週間後に心理尺度等を用いた調査を実施する予定である。但し、県内の新型コロナウイルス感染者数の大幅な上昇や院内クラスターが発生した場合には、研究中断の可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度、令和3年度ともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた研究フィールドである和歌山県立医科大学附属病院認知症カフェが開催されなかった。また、主に高齢者を対象とするため、別の機会を設けて対象者を集めることも、感染リスクを考えると慎重にならざるを得ず、これまで研究に関する活動は、大学倫理審査委員会による承認などの準備段階に留まっていた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症予防の知見の蓄積やワクチン接種状況、および現下の感染状況を鑑みて、令和4年度は、感染防止に最大限の注意を払い、紀北分院において、認知症カフェでのプログラムではなく瞑想会を実施するよう、研究分担者、病院スタッフおよび飛騨千光寺住職である大下大圓氏の協力を得て、現在、具体的な準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
紀北分院での瞑想会は1セッション、計4回の瞑想を計画している。6月初旬より第1回目の瞑想会を開催する予定である。瞑想会では密を避けるために、認知症高齢者および介護家族を合わせて10名程度の参加を見込んでおり、現在、紀北分院内においてポスターおよび研究分担者を通じて瞑想会参加者を募集しており、さらにその中の介護家族に対して研究参加者を募集している。瞑想会は年間で2セッション程度実施する予定であり、調査もそれに合わせて年間で2回程度実施する。瞑想効果の調査は1セッションの初回瞑想会の前・後、および4回目終了直後、そして4回目終了の2週間後に心理尺度等を用いて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度と同様に令和3年度も、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究フィールドである和歌山県立医科大学附属病院紀北分院における認知症カフェが開催されず、またそれに代わる瞑想会開催も不可能であったため、調査が実施できなかった。令和4年度は、感染予防の知見の蓄積やワクチン接種状況、その時点での感染状況を鑑みて、感染対策に十分な注意を払い、認知症高齢者および介護家族を対象とした瞑想会の開催を計画しており、そこでの調査を実施する予定である。
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