| 研究課題/領域番号 |
20K11134
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| 研究機関 | 自治医科大学 |
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研究代表者 |
渡邉 賢治 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50733622)
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| 研究分担者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
鹿野 浩子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50806271)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / control / モデル / システム / 看護 |
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| 研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症（ALS）患者は、急速に広がる生命・生活障害をコントロールしている。これまで、ALSに伴う生命・生活障害を改善する看護実践が報告されてきた。しかし、患者にとって、生命・生活障害が改善することと、これをコントロールすることは別な経験である。生命・生活障害をコントロールする患者の試みを代償する実践とは別に、患者のコントロールの試み（コントロールシステム）そのものを支える看護実践のモデル化が必要である。【研究目的】本年度は、次年度の調査にむけて、ALS患者のコントロールシステムの維持・回復を支える看護実践モデルの構築に必要となる調査方法の精選を目的とする。【研究の方法】パイロットスタディや、研究方法に精通した専門家のスーパーバイズの機会を共有しながら研究班内で議論することを計画した。具体的には、William Powers(1973)のPerceptual Control Theory（PCT）に基づいて看護師が看護実践を行う枠組みを確認し、実践を構成する要素や収集方法の検討を計画した。また、研究対象者となるALS患者や看護師の選定基準の検討を計画した。【研究の成果】看護実践モデルの枠組みに基づく看護師の知覚、実践、実践の意図、実践後の知覚を収集するためのワークシートを策定した。これは、次年度の前向き調査において、研究対象者がモデルに基づいて看護実践を整理するための解説と記録を兼ねた様式として考案した。また、研究対象者のコントロールシステムを尋ねる方法として、現在の健康状態の原因帰属の特性を測定するHealth Locus of Control尺度を用いることを検討した。さらに、研究対象者の選定基準として、コントロールシステムの特性を内省できるだけの療養経験や実践経験があることや、特にALS患者は回答可能なコミュニケーション能力を有する者である必要性を確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していたパイロットスタディを実施できなかった。仮構築したモデルの説明と検証方法に関する検討を研究班で進めた結果、昨年度に仮構築した看護実践モデルは、看護師が実践の必要性をどのように知覚したのか、実践後にどのような知覚に至ったのか、というPCTの枠組みに必要な要素の一部が明らかになっていない、という結論に至った。原因として、看護実践モデルの仮構築において根拠資料とした看護師へのインタビューのガイドには看護師の知覚が焦点化されておらず、知覚に関わるデータの多くが含まれていなかったことが考えられた。よって、次年度の調査では、実践場面のきっかけとなった看護師の知覚は何であり、意図的な実践の後の知覚はどのように変化したのかを含める必要があることを確認した。
これらの過程は、ALS患者のコントロールの試みに着目した本研究の独創性に関わる重要な修正であったと考えている。また、本年度の目的としていた研究方法の精選は概ね完了しているため、研究は推進可能と考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度の調査前にパイロットスタディの機会を設け、本年度のような検討・修正を本調査の前に実施できるようにする。これまで、研究班内や、本研究に関わる研究者の立場よりスーパーバイズを得る機会があった。今後は、実践者の立場で本研究の主旨や看護実践モデルの特性に理解と協力を得る必要があるため、同様のフィールドにおけるパイロットスタディの機会を有効に活用したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
看護実践モデルの策定・修正に時間を要し、看護師やALS患者を対象とした調査の実施時期が遅延した。次年度の使用使途は、調査に関わる印刷費や交通費、研究対象者への謝礼等を計画している。
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