研究課題/領域番号 |
20K11139
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
上原 喜美子 新潟青陵大学, 看護学部, 教授 (40805298)
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研究分担者 |
加藤 公則 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (00303165)
原 等子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30302003)
中村 圭子 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (20410251) [辞退]
帆苅 真由美 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (10736309)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中山間地 / 高齢糖尿病患者 / 在宅療養 / 訪問看護師 |
研究実績の概要 |
糖尿病高齢者を支援する訪問看護師、介護支援専門員、行政保健師からインタビューを行った結果について質的統合(KJ)法を用いて分析を終了した。このうち、訪問看護師のインタビュー結果について、演題名を「中山間地で暮らす高齢糖尿病患者の在宅療養継続に向けた訪問看護師の思いと支援上の課題(帆苅・上原・原・中村)」とし、第27回日本糖尿病教育・看護学会(2022年9月17日~18日:ハイブリッド開催)で口述発表した。 訪問看護師は「食を大切にした関わりと体調変化・家族への配慮」と「出来うる限りの疾病管理と緊急時対応」という2側面から訪問看護の実践を行っていた。しかしその中で、「自己管理の不十分さと家族の意向確認の難しさ」という「訪問看護の窮状」があることと、「思いを阻む人手不足と制度上の障壁および実施困難な医師の指示」という「訪問看護師のジレンマ」を抱えていた。これらの訪問看護を支えるために、2つの面からの取り組みの必要性を感じていた。一面では、「訪問看護師のジレンマ」故に「身体要因と療養環境に応じた地域の繋がりによるサービスの補完」という「在宅療養のための後方支援の必要性」を感じており、他方では、「訪問看護師のジレンマ」とともに「訪問看護師の窮状」故に「自己管理および家族と多職種の連携・協働による補完」という「在宅療養継続のための基本体制の構築の必要性」を感じていた。 中山間地で暮らす高齢糖尿病患者が在宅療養を継続するためには、家族や医師と共通認識を図り、地域の繋がりを活かしたサービスや家族を含めた他職種連携・協働を図っていく必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問看護師、介護支援専門員、行政保健師のそれぞれの分析は終了したが、コロナウイルス感染予防対策のため対面集合型による分析ではなく、Zoomを用いて行っているため2倍以上の時間を要している。分析内容の信頼性と妥当性の担保のために丁寧にスパーバイズをいただいており、当初予定より時間がかかりすぎていた。また、この後、3職種のそれぞれの結果に基づいた考察について、新たな手法として、パルス討論は開発途上とされており、それを用いるかどうかの検討をしていたため。
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今後の研究の推進方策 |
質的統合(KJ)法における考察をパルス討論を用いて山浦晴男氏のスーパーバイズを受けながら、論文発表に向けて進めていく。 研究成果に基づいて、高齢糖尿病患者の支援に必要なシステムのソフト面を構築する計画を策定する。当初はアプリの開発やハード面のシステム構築を考えていたが、結果の分析からある程度のハード面は整いつつあるが、職種間の考え方の違いやリテラシーに大きな差異が生じてるいることが明らかとなった。
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次年度使用額が生じた理由 |
システム開発費用としてデバイス等の活用を考えていたが、その段階まで進行していなかったため。ソフト面の開発に向けて、人的交流が不足していたので、職種間垣根を越えられる学習会等に使用していく。
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