研究課題/領域番号 |
20K11148
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
横溝 珠実 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (50846079)
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研究分担者 |
長江 弘子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (10265770)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学域, 教授 (40273990)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 児童虐待 / 社会的ハイリスク妊産婦 |
研究実績の概要 |
保健師および助産師へのインタビュー結果を分析を行った。対象者の保健師経験年数は21.0±5.4(mean±S.D.)年、助産師経験年数は22.0±11.3年であった。保健師が捉えた「気になる妊産婦」は13カテゴリで構成され【実家には頼れない家族背景をもつ】【生活基盤が不安定である】【清潔感のない生活環境にいる】【普通の妊婦ではないという違和感がある】などが特徴的なカテゴリとして表された。助産師では【母体の安全が危ぶまれる出産リスクをもつ】【産後生活の準備が進まない】【育児が思い通りにいかず困難さを感じている】などが特徴的なカテゴリとして表された。両者に共通して捉えられた特徴には【胎児・児に気持ちが向かない】【意思疎通が図りにくい】【周囲からの支援を得にくい】【精神的な不安定さがある】【上の子への不適切な養育態度がある】などが示された。 保健師と助産師が捉えた「気になる妊産婦」の様相として、両者は概ね共通していた項目もみられたが、保健師は妊産婦の生活背景や生活を基盤とした養育力や養育環境に着目し、安定的な暮らしの中での育児を見据えた視点を持つのに対して、助産師は安全な出産を迎えるための母体の健康管理や胎児・児の安定的な養育スキルに着目し、母子の生命と健康維持のための妊産婦自身が持つセルフケア力への視点が特徴として明らかになった。両者がもつ視点からの対応が児童虐待予防に重要であると考えられる。今後は引き続き、保健師と助産師の「気になる妊産婦」への連携支援についての検討をすすめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「気になる妊産婦」への連携支援についての概念分析を行うためのフィールドワークを終えているが、ハイブリッド分析のための文献レビューに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は国内外の文献レビューとフィールドから得られた結果を統合した分析をすすめ、「気になる妊産婦」への連携支援の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより海外での学会発表の機会が持てず、予定していた学会参加費等の支出が行えなかった。次年度は学会開催の動向を踏まえ、積極的な参加を行っていく予定である。
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