研究課題/領域番号 |
20K11150
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
山本 浩子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (50341243)
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研究分担者 |
百田 武司 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (30432305)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 焦燥性興奮 / ハンドマッサージ |
研究実績の概要 |
認知症高齢者の尊厳ある生活を支えるケアの一つとして、認知症の行動・心理症状 (Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia; 以下、BPSD) への非薬物療法の重要性が示されている。特に、BPSDの一つである焦燥性興奮は、認知症高齢者に高頻度で発症しており、効果的なケアの確立が求められる。 本研究の目的は、焦燥性興奮のある認知症高齢者に対して入眠前のハンドマッサージを行うことによる効果を検証し、この結果を基に、高齢者ケア施設に導入するためのプログラムを作成することである。 現在、認知症対応型共同生活介護と介護老人福祉施設で生活している焦燥性興奮のある認知症高齢者24名に対して、無作為割付にて介入群と対照群に分けて、軽擦法を主としたハンドマッサージを実施した。介入群には、ハンドマッサージを1回約10分 (片手に約5分ずつ)、2週間に計6回 (連日して行わない) 実施した。実施時間帯は、対象者の通常の入眠時間帯とした。対照群は、通常のケア (排泄・更衣を済ませ、布団への臥床におけるケア) のみとした。主要評価項目は、認知症高齢者の焦燥性興奮を評価する、コーエン・マンスフィールドagitation評価表日本語版とした。副次的評価項目は睡眠状態を客観的に評価するために「眠りSCAN; (パラマウント社NN-1520)」を用いた。 本研究は、統計的検出力にたえうる必要対象者数70名を目標に、継続してデータ収集を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19による感染拡大の影響により、対象施設からの受け入れが断続的に中断した時期があったため、データ収集が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染状況をふまえ、対象者の安全を第一優先に考えたうえで、随時、対象施設に実施の可能性を確認していく。 既に内諾を得ている施設に継続して依頼する。併せて、研究依頼が施設に負担とならないように、COVID-19の感染状況に応じて、対象施設における研究の受け入れ条件も確認しつつ、継続してリクルートを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、データ収集が中断したこと(3月下旬~8月上旬、8月下旬~9月下旬、1月~3月上旬)や、学術集会がWeb参加となったため、未使用額が発生した。 今後は、ハンドマッサージによる介入の目標達成数まで継続してデータ収集を行い、効果の検証を行う。そして、介入の効果が検証された後、ハンドマッサージを高齢者ケア施設に導入するためのプログラムを作成し、試行する。 併せて、学術論文への投稿等も行う。
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