研究課題/領域番号 |
20K11167
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
大久保 雄 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (40515558)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モーターコントロール / 深部筋 / 筋活動 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
【課題1】本課題では,体幹深部筋(腹横筋)および股関節深部筋(大腰筋、小殿筋)にワイヤ電極を刺入し,様々な運動時の体幹および股関節深部筋の筋活動を計測した.対象は健常男性13名とし,腹横筋,大腰筋,小殿筋にワイヤ電極を留置,その他の表層に位置する体幹および下肢筋には表面電極を設置した.実験試技として,下肢伸展挙上(SLR),体幹安定性エクササイズ,スクワット,立ち上がり動作,持ち上げ動作(デッドリフト)などを実施させた.現在,データ収集の途中段階であり,最終的には15名程度までデータを集める予定である. 【課題2】本課題では,近年運動療法として用いられているヨガエクササイズ(Yoga exercise, YE)の筋電図学的特徴を明らかにするため,リハビリテーション現場にて一般的に行われている体幹安定性エクササイズ(stabilization exercise, SE)とYEの筋活動様式を比較することとした.対象は健常男性14名とし,表面筋電図を用いて,外腹斜筋,内腹斜筋,脊柱起立筋,大殿筋,中殿筋,大腿直筋,大腿二頭筋,僧帽筋などの筋活動量を計測した.実験試技は14種類のYEとその比較対象となる11種類のSEを実施させた.その結果,YE-bridgeはSE-back bridgeよりも僧帽筋や体幹筋の筋活動量が大きかった.さらに,YE-3ポイントレッグオープンではSE-Adductor side bridgeよりも大殿筋の活動量が有意に大きかった.また,YE-ペルビックオープンがSE-front bridgeよりも大殿筋の活動が有意に大きく,YE-ダウンドックでは中殿筋,外腹斜筋,僧帽筋上部の活動量がSE-elbow toeと同様に活動量が大きかった.以上から,YEはSEに比べて,体幹筋や殿筋群の活動を賦活化させることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も昨年度に引き続き,新型コロナウィルス感染予防のため,被験者リクルートを行うことが困難な時期があり(主に緊急事態宣言,まん延防止重点措置の期間),予定通りに実験を実施することができなかった.しかし,実験室入室への人数制限やできる限りの感染対策を講じながら,昨年度よりは実験を行うことができ,課題1では12名,課題2では14名のデータを収集することができた.しかし,課題1は現在データ収集中,課題2ではデータを収集することはできたものの,データ解析が未だ終了しておらず,本報告書においても一部のデータを報告するに留まった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は課題1のデータ収集を引き続き集めた後,データ解析を行い体幹および股関節周囲筋のモーターコントロール戦略を明らかにする予定である.さらに課題2については,未だ解析途中のデータを解析後,関連学会で発表,投稿論文の執筆を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画当初は国内および国際学会に参加し,情報収集および研究成果を発表する予定であったが,新型コロナウィルス感染防止のため,ほとんどの学会がオンライン開催あるいは開催中止になり,それらの学会に参加する旅費等を使用する必要がなくなっため,次年度使用額が生じた.研究進捗が計画当初よりもやや遅れているため,次年度では実験に必要な消耗品などを購入し,引き続きデータを収集する予定である.さらに,研究成果を発表するため,学会への参加費や旅費として支出する予定である.
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