研究課題
本研究の目的は,脳機能個人差を考慮したテーラーメイド型ニューロフィードバック(NFB)トレーニングを開発することである.本年度は,異なる感覚刺激を用いたNFBトレーニングが健常者の運動イメージ想起能力に及ぼす効果を検証した.対象者は,表在感覚NFB群,深部感覚NFB群,コントロール群にランダム割り付けされた.全ての対象者は,手関節背屈の運動イメージ課題を実施し,その際のμ帯域の事象関連脱同期(ERD)を表在感覚NFB群には振動触覚刺激にて,深部感覚NFB群には電気刺激を用いた関節運動にてフィードバックした.評価項目は,トレーニング前後における手関節背屈の運動イメージ課題(フィードバックなし)のERDと運動イメージ鮮明度(VAS)とした.その結果,VASは3群ともにトレーニング後に有意な増加を示したが,ERDは表在感覚NFB群と深部感覚NFB群のみに有意な増加を示した.本研究により,表在感覚および深部感覚を用いたNFBトレーニングは,健常者の運動イメージ想起能力を向上させることが示唆された.
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