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2020 年度 実施状況報告書

運動療法最適化のための血中乳酸濃度および神経栄養因子群の動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K11175
研究機関川崎医科大学

研究代表者

氷見 直之  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70412161)

研究分担者 宮本 修  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00253287) [辞退]
丸山 恵美  川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードマイオカイン / 運動療法 / 血中乳酸濃度
研究実績の概要

研究課題である運動の種類による筋由来の栄養因子(マイオカイン)群の分泌動態を解析中である。5週齢の雄ラットを無作為に、①非運動群(ケージ内飼育のみ)、②強制運動群(トレッドミル走行:勾配5°、15m/分 × 30分を7日間)、③自発走行群(running wheel 付きケージにて7日間飼育、平均5,000m/日以上走行したラットを採用)および④電気刺激群(前脛骨筋および腓腹筋を皮膚上の電極にて刺激 2Hzにて10分を7日間)に分けた。それぞれの運動終了後、前脛骨筋および腓腹筋を摘出し、抽出を行いELISAにてBDNF、IGF-1、Western blotにてirisin、cathepsin Bを測定。これにより、まずは運動開始7日後の後肢の筋におけるマイオカイン発現量を比較したところ、4群の間に有意な差は見られなかった。非運動群もケージ内で歩行や後肢による起立が可能であるため、非運動群としての比較対象になっていない可能性を考えた。そこで後肢の随意運動が不可能な脊髄損傷モデルを作成してみたが、7日間の飼育中に歩様が回復し、後肢の自発運動が可能となっていた。次に坐骨神経切断モデルを作成した。これらは7日後においても後肢を引きずるような歩行を示しており、前脛骨筋および腓腹筋の随意運動が不可能な群として有用と考えた。現在はこの坐骨神経切断群をコントロール群として、マイオカイン類を測定中である。 一方、運動強度の指標と考えている血中乳酸濃度は、電気刺激群において刺激直後に有意に上昇していた。他の運動群は運動前後で有意な変化はみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は健常ラットにおいて運動の種類とマイオカイン類の分泌動態の関係を把握する計画であったが、ELISAの測定値のばらつきが大きい、ラットが目的の運動を行わない、などハンドリング面で未確立な点が見られた。これらを改善する検討に少々時間を費やしたため、データを年度内に揃えるに到らなかった。しかしながらn数はやや足りないものの、7日間の運動後における筋のマイオカイン発現量には運動の種類による差がみられない傾向であるため、現在は非運動群(坐骨神経切断モデル)との比較を行おうとしている。同時に各群のn数が最低でも5となるよう匹数を追加している。 2021年度は運動14日後における比較を行い、また運動強度によるマイオカインの発現の差異を解析すべく準備をしている。

今後の研究の推進方策

2020年度内に把握することを予定していた運動の種類によるマイオカイン分泌動態の差異を運動7および14日後にて解析するためデータ採取を継続する。差がみられなかった場合、レジスタンストレーニング群や強度を上げたトレッドミル走行群および電気刺激群を作成し、血中乳酸濃度にて強度を標準化しながらマイオカイン発現量を比較する。2021年度の上期中にこれらの解析を終え、下期より脳梗塞リハビリテーションとしての各種運動負荷を行い、まずは行動試験(運動機能、記憶能)にて効果を比較する。脳梗塞モデルは運動障害が軽度で直後から運動療法が可能であるマイクロスフェア脳塞栓モデルを採用する。

次年度使用額が生じた理由

2020年度の残額が生じた理由としては以下の2点が主要因である。①コロナウイルス感染症拡大防止のため学会の現地開催が全て無くなり、出張旅費が不要になったこと。②講義などの研究外業務でオンライン化など例年以上にエフォートを必要としたため、計画していた量の実験が滞り、消耗品の発注を控えたこと。 ただし、当初は計画していなかった実験補助員の雇用を始めたため、予算額との差異はそれほど大幅なものとはなっていない。次年度も引き続き計画に基づいて研究を継続する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 生理学2教室ホームページ

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/physiology/index.html

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公開日: 2021-12-27  

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