研究課題/領域番号 |
20K11190
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
河野 健一 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (10638480)
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研究分担者 |
大内 乗有 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (00595514)
大橋 浩二 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (10595515)
西田 裕介 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (90410513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 透析 / 重症化予防 / 透析中運動療法 / マイオカイン / メカニズム |
研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度と同様に研究データの収集を行う医療機関において、新型コロナウイルス感染症への対応の観点から、データ測定のための非透析日の来院許可がおりず、透析中運動療法の効果のメカニズムの一端となる骨格筋機能、運動耐容能、心血管機能の測定が困難であった。これに対する推進方策として、透析日の通常の透析診療内においてデータ収集を検討したものの、透析クリニックの主たる従事者である医師、看護師が感染症対策への業務エフォートが高かったこと、ならびに、運動療法の専門家である理学療法士等の透析クリニックへの往訪が制限されたことにより、透析中運動療法自体の実施頻度も低下したことにより、データ収集等研究の進捗が滞った。 そのような中、これまでの測定データをもとに、(1)透析患者の重症化の特徴、(2)透析中運動療法の効果について、データを見返すとともに新たな視点での解析を加え研究成果を公表した。まず、(1)透析患者の重症化の重症化の特徴として、入院した透析患者は外来患者と比較して極端に筋力や身体パフォーマンスが低下していることを明らかにし、透析患者の入院による重症化進展への対策が重要である点を 原著論文にて報告した(Kono K, et al. J of Allied Health Sci.2022)。また、(2)透析中運動療法の効果については、70歳以上の高齢者のみ対象をした点を研究の新規性とし、高齢透析患者であっても透析中運動療法により運動パフォーマンスが向上することを原著論文にて報告した(Yabe H, Kono K, et al. Plos One 2021)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響の持続により、対象とする透析患者に対して、2020年度に引き続き、不要不急の人的接触避ける観点から、データ測定のための来院等が制限されていたため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究実施医療機関と「新型コロナウイルス感染症を一定程度の管理下に置いた中で対象患者のデータ測定をおこなっていく方針」を確認しており、その推進方策について、2022年度初頭から研究分担者、研究協力者と打ち合わせを行なっている。具体的には、非透析日におけるデータ測定を行わないこととし、透析日の通常の透析通院時に、マイオカイン、簡易的な運動パフォーマンス、筋力を測定し、さらに、身体活動量と自律神経機能の測定を透析日に対象者へ配布する端末にて遠隔で測定し、データ収集を進めていく。直接的な人的介入を減らしながらも、透析中運動療法の効果のメカニズムを明らかにするための上記方策にて研究を推進する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度、新型コロナウイルスへの対応によりデータ測定のための出張がなく旅費がかからなかったことから、次年度の使用額が生じた。次年度はデータ測定を行う予定であり、研究成果の公表とともに当該経費を使用する予定。
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