研究実績の概要 |
平成26~28年度文科省科研費「課題:運動療法がアポトーシスやアディポカインを介して脳梗塞再発を抑制する機序の解析」により、脳梗塞における運動療法が血管内皮障害(TM, EC)、線溶機能(PA, PIC, DD, TAT)、血小板活性化(βTG, PF-4, PDMP)、炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6, IL-2, TNFα, TNFR1, TNFR2)を鎮静化することを示し、運動療法が脳梗塞の二次予防に寄与することを報告した。平成29~31年度文科省科研費「課題:運動療法がサイトカインやアポトーシスを介し脳梗塞後神経細胞死を抑制する機序の解析」では、、脳梗塞における運動療法がアポトーシス(Fas, FasL)、成長因子(BDNF, NGF)、接着分子(P-selectin, L-selectin)を鎮静化することを示し、運動療法が脳梗塞の増悪を抑制することを発表した。本課題はこれらの継続研究課題で、運動療法を継続することが脳梗塞の二次予防および増悪にさらなる効果を示すか否かを解析する。初期治療を終了した亜急性期の脳卒中に従来の理学・作業療法を施行し、運動療法の量(1日当たりの理学・作業療法の時間)とアポトーシス、炎症性サイトカイン、血管内皮障害、成長因子などの指標(Fas、FasL、caspase、IL-1β、IL-6、TNF-α、TNFR、PDGF、NGF、BDNF)の変化量(Δ:後値-前値)を比較検討した。1日当たりの運動療法の時間が多いほど、アポトーシス、炎症性サイトカイン、血管内皮障害、成長因子などの指標が改善してくる傾向がみられた。まだデータは揃っていないが、今後は運動のモダリティー、強度(METs)なども検討していきたい。
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