研究課題
基盤研究(C)
成体コモン・マーモセットに対してjuxtacellular recording法による記録と標識を行うことで、詳細な島皮質からの味覚地図を作成するために、現在、三次元再構築ソフトウエアAmiraを用いて完全な立体再構築を目指している。また、juxtacellular recording法と並走して従来型の形態学的手法を用いたラット脳内味覚地図の作成や、ヒトの鼓索神経の詳細な三次元的走行を御遺体とmultisliceCTを用いて再検討を行い、これまでの記載の妥当性を検証した。
神経科学
頭で考えた通りに動く義手の開発や人工網膜、人工内耳なども臨床応用される段階にある一方で、味覚を失った人に対する味覚BMIの試みは他のBMIと比較してほとんど進展していない。しかし、要介護高齢者を対象に行った日々の関心事についてのアンケートでは、全ての施設において食事を一番楽しみに暮らしているという結果となるなど、我々の人生における美味しい食事、すなわち味覚の優先度は、視力や聴力など他の感覚と比較して劣るものではないと言える。自らの口を通して「美味しく食べること」はQOLの維持・向上に極めて重要であり、味覚BMIの開発は今後のBMIの研究において極めて重要な社会的意義がある。