研究課題/領域番号 |
20K11196
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
高木 聖 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (70712305)
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研究分担者 |
山下 剛範 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10410937)
三浦 俊宏 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (90281493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 運動療法 / レスベラトロール / 骨質 / 骨強度 |
研究実績の概要 |
2023年度においては、これまでに得られた予備的実験の結果を基に、トレッドミル走行とRSV摂取との併用療法の有効性を検討した。実験はKK-Ayマウスを使用して、コントロール群、RSV摂取群、トレッドミル走行群、併用群(RSV摂取+トレッドミル走行)の4群に分け、開始から10週後に炎症マーカー(肝TNF-α)値、骨マトリックスマーカー(ペントシジン、ホモシステイン)値を生化学検査にて測定した。また、マイクロCTを用いて骨微細構造(海綿骨パラメータ5項目、皮質骨パラメータ4項目)についても測定した。 肝TNF-α値、ペントシジン値、ホモシステイン値は4群間に有意な差はみられず、また、海綿骨・皮質骨パラメータにおいても4群間に有意な差はみられなかった。 本研究の期間全体を通じた成果については以下に示す通りである。糖尿病に直接関係する血糖・インスリン値、耐糖能については、トレッドミル走行群ならびに併用群において有効性が認められ、なかでも耐糖能については併用群がより有効であった。炎症マーカー(CRP)値については、トレッドミル走行群ならびに併用群において有効性が認められ、併用群がより有効であった。大腿骨骨密度については、近位部において併用群が他群よりも有意に高かった。これらのことから併用療法は、血糖コントロールや炎症抑制を介して骨密度低下防止に寄与すると考えられる。一方、骨質に関与する酸化ストレス値および骨質マーカーとされるペントシジンやホモシステインの値については群間の有意差がみられなかった。マイクロCTによる骨微細構造についても各パラメータにおいて差が認められなかったことから併用療法が骨質に及ぼす影響は低いと考えられる。しかし、3点曲げ試験による骨強度については、部分的に有効であったことから何らかの機序で骨強度に寄与することが示唆された。
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