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2020 年度 実施状況報告書

脳梗塞後の麻痺回復とO-GlcNAc修飾を基盤とした脳内分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K11197
研究機関藤田医科大学

研究代表者

水谷 謙明  藤田医科大学, 医療科学部, 准教授 (30351068)

研究分担者 脇田 英明  藤田医科大学, 医学部, 教授 (80416172)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脳梗塞 / リハビリテーション / 麻痺回復 / 神経可塑性 / 分子機構
研究実績の概要

脳梗塞後の麻痺や障害に対して、脳の可塑性変化に基づいた新たなリハビリテーションという概念が浸透し始め、積極的に麻痺回復を行う治療戦略に関心が高まりつつある。本研究は、脳卒中リハビリテーションの麻痺回復に関連した脳内分子機構の解明を目指すものである。本年度は、photothrombosis による脳梗塞モデルを用い、大脳皮質に脳梗塞を作製し、脳梗塞2日後から回転ケージによる歩行訓練を行った群をEX群、訓練を行わなかった群をCNT群とし、麻痺および機能回復の程度と脳内のO-GlucNAc修飾の動態についての解析を行った。
運動機能解析、麻痺程度変化についてはrotarod test を用い、5分間に回転数が3rpmから30rpmへと漸次増加する回転棒上での歩行持続時間を脳梗塞前、梗塞後2,4,6日目に計測した。その結果、CNT群と比較してEX群において6日目に有意に歩行持続時間の増加が確認された。更に、脳内変化の指標として、O-GlucNAc修飾についてWestern blot 法により解析を行った。このO-GlucNAc修飾とは、タンパク質のセリンないしスレオニン残基に糖のN-アセチルグルコサミン(N-acetylglucosamine、GlcNAc)が結合したもので、タンパク質の機能制御に広く関与している分子である。GlcNAcの結合はリン酸化と修飾部位が同じであることから、種々のシグナルの制御に関与し、その修飾の異常は様々な疾患に関連すると考えられている。今回、ペナンブラ領域を含んだ脳梗塞巣辺縁大脳皮質タンパク質のO-GlucNAc修飾の変化をWestern blot 法により解析したところ、CNT群と比較してEX群において複数のシグナルで減少が確認された。今後、これらのタンパク質と機能回復との関連性について更なる検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、COVIT-19 PCR検査に従事こととなり、エフォートが大幅に変更となった。また、研究に必要な消耗品等の欠品、納期遅延等により本来予定していた研究を遂行することができなかったため。

今後の研究の推進方策

運動訓練による機能回復が認められた大脳皮質において、数種類のタンパク質で O-GlucNAc修飾に変化が確認され、機能回復とその分子動態との関連性が示唆されたが、この現象をより詳細に解析するため、O-GlucNAc修飾タンパク質を抽出し網羅的解析を行う。また、脳梗塞後の変化、運動訓練、麻痺回復との関連性など更なる詳細な分子機構の解明を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験消耗品の欠品や納期遅延等により、予定されていた研究の遂行に遅れが生じたため。

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公開日: 2021-12-27  

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