研究課題/領域番号 |
20K11200
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
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研究分担者 |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激療法 / 末梢性麻痺 / 酸化ストレス / F波 / ポストポリオ症候群 |
研究実績の概要 |
経頭蓋直流電気刺激療法(Transcranial direct current stimulation:tDCS)は非侵襲的に大脳皮質神経細胞を刺激することが可能で、脳卒中などの中枢性の上肢麻痺の回復に効果があるが、tDCSが末梢性麻痺にも効果があるか否かを、臨床的評価だけでなく生化学的・電気生理学的評価を加えて研究する。 本研究では、ポリオ、腕神経叢麻痺や絞扼性ニューロパチーなどの末梢性の上肢麻痺に対して tDCSが有効であるか否かを明らかにする。またtDCSで観察される治療効果の個体差は脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型によるものと仮定し、BDNF遺伝子多型と血中BDNF値が治療効果に及ぼす影響を精査する。また酸化ストレスと反復F波が治療効果に及ぼす影響も精査する。 2020年度は文献検索による情報収集を行い、研究計画を立案した。これまで先行研究によってポリオ患者へのtDCSの介入による安全性や実現可能性は確認しているが、ポリオ患者以外の腕神経叢麻痺や絞扼性ニューロパチーなどの他の末梢性の上肢麻痺へのtDCSの介入は行っておらず、無作為化比較試験を行う前に、予備的研究としてそれらの患者へのtDCSの安全性や実現可能性を検討する必要があると考えた。また、研究を効率的に行うために、末梢性麻痺の介入で使用するtDCS装置を購入し、同時に複数人への介入が行える体制を整えた。tDCSの刺激回数や末梢性の上肢麻痺の臨床効果判定のための具体的な評価項目について実現可能性を考慮して検討した。 2021年度は、研究計画について倫理委員会で承認を受けた後に具体的な介入を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために、研究計画の立案が遅れ、介入開始を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を倫理委員会に提出する。ポリオの患者会や大学病院のリハビリテーション科外来で研究対象者を募集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために研究計画が遅れ、学会や研究会による情報収集が行えなかった。 研究計画を倫理委員会に提出し、広報を行い、介入を開始する。
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