心臓リハビリテーションは、循環器病患者の運動耐容能や生活の質を向上させ、さらには再発抑制効果など予後改善効果が期待されている。しかしながら、患者に対する心臓リハビリテーションの認知度は非常に低く、有用性を理解させることが十分できていないことが現状である。 これまでに、心筋梗塞後、心臓リハビリテーションを実施した患者を対象にアンケート調査をおこない、その結果を本年度心臓リハビリテーション学会において報告した。その結果、心筋梗塞後の再発を含む心血管イベント発生率について、過小評価している患者が多いことが明らかとなった。また、興味深いことに、外来心臓リハビリプログラムを脱落した患者の約1/4の患者が、心臓リハビリプログラムへの参加が実際は可能であったにもかかわらず、参加されていなかったという結果であった。運動を含む再発予防の取組みについて、自分でできると思っている患者が多い一方で、心臓リハビリが再発予防目的のプログラムであることについて理解できていない患者が多く、心臓リハビリプログラムから脱落した患者ほど、運動処方について十分理解できていないことがわかった。 これらの結果を踏まえ、患者が、再発予防のために必要なことの理解度を自らチェックでき、また心臓リハビリテーションの重要性およびその内容について理解できるようなリーフレットを作成し、当センターのホームページ上で公開した。また、心臓リハビリテーションに対する患者の理解を促すためのショートムービーについても公開した。
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