研究課題/領域番号 |
20K11207
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関口 兼司 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70533793)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サルコペニア / 横隔膜 / 呼吸機能低下 / トラッキング / 超音波 |
研究実績の概要 |
超音波検査記録動画を解析するためのアプリケーションを開発し、トラッキングに最適化した記録条件(高フレームレート、低ゲイン)を見いだし、探索的に複数症例の記録を再度検討した。超音波透過性を維持したゲル素材による横隔膜ファントムを作成し、画像上でのピクセルの移動距離の測定値が実際の膜成分の移動距離を正確に反映していることが確認できた。スペックルの追尾は速い動きの場合困難となるが、高フレームレートで記録した動画をデータ量削減せず取り出すことで精細な追尾解析が可能となった。横隔膜の頭尾方向への移動は区域によって異なる可能性があったため、鼻側、中央、頭側の3カ所で記録し、平静呼吸になった安静臥位で複数回分を記録した。アプリケーションの改良を行い、捕捉ピクセルの位置情報を記録し、時間軸にプロットすると、横隔膜の頭尾方向の移動量を定量化することができた。しかしながら100fps以上のフレームレートでの無圧縮AVIでの数秒間記録が必要となったため、データ量が1GB以上と膨大で、データの取り扱いに工夫を要した。 時間軸を平均一呼吸時間に補正し、吸気終末までの移動量を複数例で比較したところ、健常者間では比較的均一な移動量をとることがわかった。一方運動ニューロン病患者に対する予備的な検討では、これまでの測定項目(横隔膜筋厚や肥厚率)などよりも鋭敏に横隔膜の機能障害を検出できる項目が存在することがわかり、今後の症例の蓄積をするための新たな解析方法となる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とする解析を施行するためのアプリケーションが存在しなかったため、測定環境などいちから開発する必要があった。リアルタイム解析ではなく、保存された記録の解析にすることにしたため、コロナ禍ではあったが、被検者協力なしでもオフラインでの開発が可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
開発したトラッキングアプリケーションによる既存のデータを解析し、ファントムから得られたデータとの比較により、その妥当性を検証する。 倫理審査が終了次第、被検者の組み入れを開始する。 得られたデータから各種項目の変動を患者ー対照群間で比較し、呼吸筋力低下の早期診断に有用な項目を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で学会出張機会が減少し、交通費などが節減できたため。一方で情報共有機会の減少によって研究自体の広がりが乏しくなっているため、次年度以降は研究会の企画など多くの研究者の意見を取り入れるための機会を増やすために活用する予定。
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