サルコペニアの横隔膜機能を超音波で評価する方法を開発し、その技術を用いてサルコペニアと運動ニューロン疾患における横隔膜機能を比較した。側腹部から記録した超音波画像では横隔膜は呼吸に応じて頭尾方向に移動するため、スペックルトラッキング法でピクセルを追尾するアプリケーションを開発し移動量を計測した。安静時呼吸における移動量は健常者 2.2±2.2 mm、サルコペニア 1.4±0.9 mm、ALS 0.6±1.4 mmで、ALSは健常者に比して有意に小さく、サルコペニアはその中間であった。サルコペニアの病態には筋代謝異常だけでなく、ALSに類似した機能的脱神経が関与している可能性もあると考えられた。
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