研究課題/領域番号 |
20K11209
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
藤木 稔 大分大学, 医学部, 教授 (90231563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 皮質脊髄路 / 運動機能回復 / 磁気刺激 / 可塑性 / 電気刺激 / マッピング / 神経再生 / 運動誘発殿位 |
研究実績の概要 |
申請者の『皮質脊髄路再生の特許技術』が有効・安全たるかの検証を行った。併せて既報基礎研究と臨床現場発リハビリテーション手法の組み合わせの運動機能回復に最適な条件を網羅的に検証し、今後本技術の可能性を総括する。研究協力者StewardはPTEN deletionが脊髄損傷後皮質脊髄路再生(J.Neurosci.2014, Nat Neurosci.2010)を、申請者の2特許 (①JP 2012-187149 A)および(②JP 2012-341 A)実用化が生んだ新たな特許(③申請中;神経系細胞の増殖を活性化させるための磁気の制御方法、及び脳・運動機能再建システム)はこれと相同の効果を実験的に示した。この神経活動依存的可塑性誘導を可能にする渦電流収束磁気刺激装置は(1)コイル直下渦電流強度比で既存法の約30倍で、(2)刺激局在性を100倍に著増しrat 脳mapping までも可能、(3)任意の深部任意のパターンで刺激可能で電気刺激並みの高出力・高解像度を磁気刺激で可能にする。最終年度までにこれらを総合し本特許技術の非劣性/安全性を既報と網羅検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者の2特許 (1JP 2012-187149 A)および(2JP 2012-341 A)実用化が生んだ新たな特許(3申請中;神経系細胞の増殖を活性化させるための磁気の制御方法、脳・運動機能再建システム)はこれと相同の効果; rpS6賦活/V層 を実験的に示した(Fujiki et al, Frontiers Neurosci. 2020)。大脳皮質運動野V層 neuron の phosphoribosomal protein S6 賦活 (mTOR activation)はこの必要十分条件である。400Hz-磁気刺激後 pS6 活性化においてPyramidal neuron はV層 (ser240/244; mTOR および; ser235/236; MAPK/ERK PKA 両方)、IEG Arc(一部V層)およびc-fos は大脳皮質運動野II-IV,VI層にて異なる形態の interneuron に発現した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果が運動機能回復に直結するかその有効性と安全性検証を遂行する。臨床応用まで見据えた皮質赤核路、皮質網様体路機能評価を客観化できれば大脳全体を同時に評価でき、脳可塑性誘導再教育を期待できる。皮質赤核路は損傷皮質脊髄路を代償し新たな下降路;皮質-赤核-脊髄路を形成するか。まず機能回復直結の有無を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
電子デバイスの供給不足により消耗品調達が間に合わなかった。次年度以降、電子デバイスの購入費用として使用する予定である。
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