研究課題
前年までの解析結果で得られた関節破壊の抑制効果が期待できるトレッドミル走行の条件を1日30分間,12m/分とした.前年度と同様に感作後に自由飼育した対照群,走行期間を感作14日後から14日間としたpre-arthritis intervention short(PAS)群,28日間としたpre-arthritis intervention long(PAL)群,感作28日 後から14日間としたtherapeutic intervention(T)群の4群を作成した.感作42日後に足関節を摘出し,組織学的検討としてcathepsin Kの免疫組織化学染色を行った.破骨細胞マーカーであるcathepsin K陽性細胞は対照群およびPAS群よりもPAL群およびT群で少なかった.前年度の結果である関節炎期のトレッドミル走行が滑膜に機械的刺激を加え,TNF-αおよびCx43の産生量を低下させた。またRA動物モデルにおいてCx43の発現を関節内で抑制することで骨破壊を進行抑制できることを明らかにしてきた。以上から関節炎期のトレッドミル走行はTNF-αやCx43の発現を低下させることにより破骨細胞分化や骨破壊を制御している可能性を示した.
3: やや遅れている
海外からの物品、薬品の流通がとどこおり、予定どおりの研究が遂行できなかった。
来年度は,放射線学的な検討を行い関節破壊への影響についても検証す る.
他国の戦争により輸入すべき物品が一時的に中断したため、研究遂行に想定以上に時間を要した。翌年度にはマイクロCTなどを用いて骨形態評価や骨破壊抑制効果などを検討するた、次年度使用額はすべて使用する予定である。
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Mol Med Rep
巻: 26 ページ: 229
10.3892/mmr.2022.12745.